栗の保存法!ガッテンのやり方を伝授!やってみた感想は?

秋の味覚の代表格の栗。

生の栗が出回るのは、秋だけです。

栗をどうやって保存したらいいのか、期間限定の味覚だけにちゃんとは知らないということもあると思います。

今回は、NHKの人気番組、「ためしてガッテン」で取り上げられた栗がよりおいしくなる保存方法について、実際の検証結果もあわせてご紹介します。

栗は、いくつかのポイントを抑えて冷蔵庫で保存することで甘さをさらに引き出すことができます。

保存期間が長いほど甘みが増すとされ、1か月くらいの間は甘さがアップしていきます。

生の栗をたくさんもらったり、お手頃価格でまとめ買いしても、冷蔵庫でも1か月保存できるとなれば、食べきりやすいですよね。

ガッテンで紹介されている栗の保存方法はぜひチャレンジしていただきたいやり方です。

生の栗を入手できるのは秋のひと時だけ、貴重な秋の味覚をぜひおいしく楽しんでくださいね。

栗の保存法!ガッテンのやり方は?

2006年10月、NHKの人気情報番組、「ためしてガッテン」で「甘さ6倍!栗の感激・新調理術」という特集が組まれました。

この時紹介された、甘みを引き出す栗の保存方法や調理方法が放送直後からずっと十数年を経て、すばらしいやり方として語り継がれてきました。

ただ、残念ながら、現在は公式のページが削除されてしまっています。

多くの人から、実際ためして栗が甘くなった!と言われる保存方法について解説していきます。

また、基本的な栗の保存方法などについては、当サイトのこちらの記事もご覧ください。

栗の保存方法|冷凍・冷蔵・保存期間と保存食レシピ!皮付きや虫食いのときは?

栗の保存方法!ガッテンのやり方

手順

  1. ポリ袋に栗を入れる。
  2. 0度近くの温度を保てるチルドルームに栗をいれる。
  3. 早ければチルドルームに入れてから3日目くらいで甘味が増えているのが実感できる。
  4. 1か月間ほど、糖度が上がり続ける。

番組の公式サイトでの確認が取れないのですが、ネットのまとめサイトや個人の方のブログなどで、ガッテン流のやり方として広まっているものです。

栗の保存法!ガッテンのやり方の科学的根拠

ガッテンで紹介された栗が甘くなる保存法のポイントは、ずばり、栗を0度近くの低温でじっくり保存することです。

栗の実は、栗の木の種。

生の栗は生きているのです。

植物は低温にさらされると、デンプンではなく糖を合成し始めます。

これは、低温状態で凍ってしまわないようにするための植物の自己防御の仕組みなのです。

冬場の野菜は甘くなるといわれますが、寒い冬を乗り切るために、植物がデンプンではなく糖をつくりだして自分を守ろうとしているからというわけです。

また、低温状態では植物の呼吸が抑制されるため、生長が鈍化します。

つまりは、鮮度が落ちるスピードがゆっくりになるのです。

栗を低温で保存することは、植物の生理にあった合理的な方法だといえます。

参考
冬野菜の糖度の件 | みんなのひろば | 日本植物生理学会 (jspp.org)

ガッテンの方法でやってみた!

(写真はライター撮影)

ガッテンのやり方を実際にためしてみました。

まず、地元の直売所で、地元の農家さんが出品している栗を購入しました。

大きな流通ルートに乗っている栗だと、甘みを増すために、低温保存処理をしてあることも考えられます。

地元の方がいろいろな農作物を持ち寄っている直売所の栗なら、取れたての栗をそのまま出品していると考え、筆者の住む町の直売所で、市内の生産者さんが出品している栗を入手しました。

栗が出回り始めた9月某日、直売所で栗を購入。

まず、100gほど取り分けて、蒸して食べてみました。

そのあと、栗を二つに分け、一つは常温に、もう一つはポリ袋に入れてチルドルームで保存ました。

(写真はライター撮影)

5日後、それぞれ購入時と同様の方法で蒸してみました。

蒸し方についても、2006年に「ためしてガッテン!」で紹介されたといわれている方法を採用しました。

詳しくは、こちらの記事を参考になさってください。

「白野美雪さんがまとめた記事のリンク!!」

(写真はライター撮影)

食べてみて感じた違いを表にまとめました。

甘さ 食感 風味
購入直後 少ない ややほくほくしているが水分が多い やや青臭い
5日間常温保存 やや甘い ややほくほくしている 栗らしい風味が増してきた
5日間チルド保存 天井 すこしねっとりしつつもほくほくに。 栗らしい風味濃くなっている

糖度を数値で表すことができるとさらに自信をもって皆さんにご紹介できると思い、キッチンにあった液体の糖度を測る糖度計で計測を試みましたが、水気の少ない栗の実の糖度を測るのは無理がありすぎでした。

筆者の実食では、チルドルーム保存の栗は甘くなっているとはっきり感じられました。

また、栗を甘くする対照実験をしていることを全く知らせないで、家族にそれぞれの栗を食べてもらったところ、家族も明らかにチルドルームで保存した栗の方が甘くておいしいと言いました。

さらに、栗の食感が、ほくほくからややねっとりに変化していたことも特筆すべきことです。

ブランド栗として有名な、茨城県の「笠間の貯蔵栗」は、甘味を引き出すために収穫後、低温貯蔵された栗です。

栗は、低温で貯蔵することででんぷんが糖にかわるのですが、このことによって甘味が増すだけでなく、食感もねっとりとしたものに変化することが特徴です。

今回の実験で、ほくほくからねっとりへの食感の変化は、一般家庭レベルの冷蔵庫における、数日間の保存でも起こりうるということがわかりました。

今回は、5日間チルド保存したところで結果を検証しましたが、今後も保存を続けることでさらに甘味とねっとり感を引き出すことができるのではないかと期待されます。

(写真はライター撮影)

左チルド保存して蒸した栗  右常温保存して蒸した栗

見た目はあまり変わりは無いです。

結論。ガッテンで紹介されたと広くネットで言われている、チルドルームで栗を保存する方法は実際に栗を甘くしますし、食感もほくほくからねっとりへと変化させてくれます。

ただし、ガッテンでは「甘さ6倍」と具体的な数字で糖度の上がり方を紹介していたようですが、そこまで科学的な糖度の計測は今回の筆者の実証実験ではできなかったことは正直に申し添えます。

ちなみに、今回筆者が近所の直売で入手した栗は、「ぽろたん」という品種でした。

渋皮がむきやすい品種ということで、確かにするっとはずれやすい栗でした。

ただ、実は崩れやすかったです。

参考
フードアルチザン 笠間の栗~貯蔵栗~
https://www.foodartisan.jp/products/kasama/

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栗の保存方法 産地ではどうしてる?

日本で栗の生産量が多いのは、茨城県、熊本県、愛媛県などです。

栗の産地では、どのような保存方法をお勧めしているのかを調べてみました。

栗の生産量 ナンバー1 茨城県でのおススメ保存法

茨城県は、栗の耕地面積、生産量ともに日本全国第一位の一大産地です。

茨城県では、独自の保存方法を工夫し、一定期間0度前後で貯蔵して糖の含有率を増加させ、ねっとりとした食感の『貯蔵栗』を流通させているということです。

特に、「笠間の貯蔵栗」は有名です。

特に見た目や品質の良いものは贈答用にもなるということです。

茨城県のおススメの栗の保存方法
ポリエチレンの袋に入れ、口をしばらず、折るだけにして冷蔵庫のチルド室(0℃付近)で保存してください。栗が乾かないように保存することがポイントで、1週間程度は保存できます。

引用元
茨城をたべよう いばらき食と農のポータルサイト 旬のうまいもの特集 特集笠間の栗
https://www.ibaraki-shokusai.net/season/kuri/

参考
茨城県公式ホームページ いばらきのくり特集
https://www.pref.ibaraki.jp/bugai/koho/kenmin/syun/20201009.html

フードアルチザン 笠間の栗~貯蔵栗~
https://www.foodartisan.jp/products/kasama/

栗の生産量 ナンバー2 熊本県でのおススメ保存法

熊本県は、栗の収穫が始まるのは、全国トップの8月下旬です。

熊本県内のおもな産地である山江村は清らかな川と肥沃な土壌に恵まれた山村。

寒暖差のある丘陵でおいしい栗が作られています。

熊本県のおススメ保存方法
皮にハリとツヤのあるものを選び、早く食べます。冷蔵するなら、チルドやパーシャル保存がおすすめ。栗の糖分が増加します。

引用元
熊本県農業情報サイト AGRIくまもと
Vitamin Table ~第18回 栗のおはなし~
https://agri-kumamoto.jp/reference/data/vitamin-table%E3%80%80%E3%80%9C%E7%AC%AC18%E5%9B%9E%E3%80%80%E6%A0%97%E3%81%AE%E3%81%8A%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%97%E3%80%9C/

栗の生産量 ナンバー3 愛媛県でのおススメ保存法

愛媛県の中山栗は、伊予市中山地区で生産される栗で、おいしいブランド栗としても有名です。

伊予市では、毎年「なかやま栗まつり」という栗だらけのイベントも開催されているといい、とても魅力的な産地です。

愛媛県のおススメ保存法
栗はかたい果皮に包まれていますが保存はあまりききません。時間が経つと水分が飛んで実が収縮して味が落ちたり、虫に食べられたりするので購入したら早めに食べるようにしましょう。保存するときは新聞紙などに包んで冷蔵室に入れます。また、多少風味は落ちますが冷凍すれば半年間ぐらいは保存することが可能です。この場合はよく洗ってから水気を切り、ポリ袋などに入れて冷凍庫にいれます。食べるときはそのままゆでればOKです。

引用元
JA全農えひめ えひめの食 まいにちが、ごちそう産
http://www.eh.zennoh.or.jp/ehimenosyoku/com/a01.html
参考
いよ観ネット
https://www.iyokannet.jp/event/5864

まとめ

栗が甘くなる保存法についてご紹介しました。

2006年NHKの情報番組「ためしてガッテン」で紹介された、袋に入れて冷蔵庫のチルド室で保存する方法は、十数年を経てなお、多くの人々に支持されています。

実際に筆者も試してみたところ、一週間足らずの実証実験でも十分に甘味、食感ともにアップしていることが確かめられました。

一か月ほどは甘味が増していくようなので、今後も観察を続け、結果が分かり次第追記をしたいと思います。

栗の産地でも、低温で保存して栗の甘さを引き出す、乾燥を防いで保存するということが提唱されています。

栗の産地では、温度や保存環境が正確に管理された低温貯蔵も行われており、最初からこうした低温貯蔵された栗が手に入れば、その瞬間から甘い栗を楽しむこともできますね。

栗をたくさんもらっても、冷蔵庫のチルド室で保存しながら一か月は食べ続けることができる、というのは、栗を無駄なく食べるという観点からも良い方法です。

生の栗が出回るのは一年でも秋だけ。

おいしい栗を賢く保存して、さらにおいしくして召し上がってみてくださいね。

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