たけのこは春を告げる野菜で、生のたけのこが出回る時期は限られます。
ご飯や煮物、炒め物など、気づけば食べ過ぎていることも。
たけのこを食べ過ぎると吐き気を引き起こす場合があります。
たけのこの食べ過ぎと吐き気には、たけのこに含まれる食物繊維が関わっています。
吐き気のほかにも、アレルギーのような症状など、食べ過ぎによって体に悪影響が出てくることがあるのです。
今回は、たけのこの食べ過ぎによる体への影響や、一日の適量、健康効果について解説します。
たけのこは栄養が豊富ですが、特に妊婦が食べても問題ないのかも解説します。
たけのこを美味しく楽しむためにも、食べ過ぎについて知っておきましょう。
Contents
たけのこを食べ過ぎるとどうなる?体の影響は?
たけのこは栄養もあり、適量であれば体に嬉しい効果が期待できます。
でも、たけのこを食べ過ぎれば、体への悪影響が出てしまうのです。
ここでは、
- 下痢、腹痛
- アレルギー
- 肌荒れ
- 胸焼け、吐き気
下痢・腹痛
たけのこは食物繊維が多く、便秘解消や整腸作用がありますが、消化は悪いとされます。
胃腸の調子が悪いときに消化の悪いたけのこを食べ過ぎると、下痢や腹痛を引き起こす場合があります。
また、たけのこに含まれる不溶性食物繊維は大量に摂取すると、便が増えすぎて詰まったり、腸の働きが活発になりすぎてしまったりと、下痢や腹痛の原因になるのです。
特に、ストレスや疲労感のあるときは内蔵の働きも弱まっているため、普段より少し多めに食べただけでも下痢や腹痛を起こしやすいとも言われます。
アレルギー(イガイガする感じ)
適量を食べている分には問題はないですが、食べ過ぎると「仮性アレルゲン」という症状が起こります。
たけのこには元々アレルゲン物質は含まれていませんが、まれにアセチルコリンやノイリンという成分が原因でアレルギーと同様の反応が出る場合があるのです。
具体的な症状としては、
- 口の中や喉がイガイガする
- じんましん
- 皮膚がかゆい
- 皮膚が腫れる
- 気管支喘息
- 頭痛
ちなみに、たけのこの下処理をする段階でよく火を通し、アクをしっかり取ればアレルギー症状は予防できます。
肌荒れ(ニキビ、吹き出物)
たけのこを食べ過ぎるとニキビや吹き出物ができやすいと言われます。
たけのこのアクの強さが原因です。
アクは体にとって有害な物質であり、毛穴から外へ排出しようという力が働きます。
毛穴に老廃物としてアクが詰まってしまうと、ニキビや肌荒れを引き起こすのです。
また、たけのこを食べ過ぎると、チロシンという成分によって肌でメラニン色素がより多く作られます。
メラニン色素は大量に増えると、シミやそばかすを濃くする場合があります。
胸やけや吐き気
たけのこに豊富に含まれる食物繊維は、胃で消化吸収されずに排出されるため、食べ過ぎると消化不良につながります。
その結果、胸やけや吐き気を引き起こすことになります。
たけのこに含まれるチロリンという成分は、過剰摂取すると吐き気を誘発するとされています。
たけのこは妊婦が食べても大丈夫?
たけのこには妊婦に嬉しい栄養素が含まれており、妊婦がたけのこを食べても問題はありません。
妊娠中は便秘になりやすく、たけのこの食物繊維は摂取したいものです。
また、たけのこに含まれるチロシンは胎児が成長するのに役立ちます。
特に妊娠4~7ヶ月に摂取しておくのがおすすめ。
ただし、妊婦もたけのこの食べ過ぎには注意が必要です。
便秘解消のためにたけのこを積極的に食べるのは良いですが、過剰摂取によって逆に便秘を悪化させる場合があるのです。
また、たけのこはアクが強く、妊婦はアクの強い食材を摂取しすぎない方が良いとされています。
妊婦がたけのこを食べるときは、アク抜きをしっかりして、過剰摂取にならないように気をつけるようにしましょう。
たけのこの一日の適量と栄養効果
たけのこは食べ過ぎると、体に悪い影響があることが分かりました。
でも、たけのこには栄養効果や美容効果もあり、適切に食べれば体に嬉しい食材なのです。
一日の適量を覚えておくと、適切な食べ方ができますね。
一日の適量
たけのこの一日の適量は、
- 穂先なら1/3
- 根元なら3cm程度
グラムにすると150~300g程度が目安です。
食物繊維の一日の摂取目安は20g程度とされています。
たけのこには100gあたり約3gの食物繊維が含まれます。
たけのこだけで必要な食物繊維を補おうとすると、600~700gを食べることになります。
でも、食物繊維は他の食べ物にも含まれているため、たけのこで約5g前後の食物繊維を摂取するのが良いとされます。
そのため、たけのこの摂取量は一日150~300g程度と言われるのです。
たけのこの優れた栄養効果
たけのこの約90%は水分で栄養価は少ないと思われがちです。
でも、たけのこには、
- 便秘解消
- 整腸作用
- 高血圧予防
- 疲労回復
- 集中力アップ
- むくみ改善
健康効果をまとめると、表のようになります。
便秘解消
整腸作用 |
たけのこには不溶性食物繊維と、水溶性食物繊維の両方が含まれ、便秘解消に役立つ。
特に不溶性食物繊維は腸を刺激して便通を促し、腸内環境を整える効果がある。 |
高血圧予防 | たけのこに豊富に含まれるカリウムは高血圧の原因になるナトリウムの吸収を抑えて体外に排出し、血圧を下げる効果がある。 |
疲労回復 | たけのこには100gあたり670mgのアスパラギン酸が含まれる。
アスパラギン酸には疲労の原因になる乳酸を分解する働きがある。 また、豊富なたんぱく質やビタミンB1、グルタミン酸も疲労回復に役立つ。 |
集中力アップ | たけのこの節にある白い塊はチロシンと呼ばれるアミノ酸の一種で、神経伝達に役立つホルモンの材料となる。
チロシンには脳を活性化させて集中力をアップさせる働きがある。 やる気も向上し、ストレス緩和やうつ病の改善にもつながる。 |
むくみ改善 | 塩分を摂取し過ぎると体内の塩分濃度を下げようとして、体が余分な水分を溜め込み、むくみが生じる。
カリウムは塩分の排出を促し、むくみ解消につながる。 |
たけのこの美容効果について
たけのこは健康効果に加えて、美容効果も期待できます。
たけのこの美容効果としては、
- ニキビの改善
- 美白
- 肌の水分量を増やす
- ターンオーバーをスムーズにする
- 抗酸化作用
詳しくまとめると、表のようになります。
ニキビの改善 | たけのこに含まれるビタミンCには、ニキビの炎症を抑えたり、皮脂の分泌を抑えてニキビを改善したりする効果が期待できる。
ニキビ跡のケアにもなる。 |
美白 | ビタミンCには美白作用もある。
シミやくすみの原因になるメラニン色素の合成を抑えたり、脱色したりする。 |
肌の水分量を増やす | たけのこに含まれるビタミンC、アスパラギン酸、グルタミン酸によって、肌の水分量を増やし、ニキビになりにくい肌を作ることができる。 |
ターンオーバーをスムーズにする | たけのこの亜鉛とアスパラギン酸によって肌のターンオーバーがスムーズになる。
肌荒れやニキビの早期回復にもつながる。 |
抗酸化作用 | たけのこのビタミンCやビタミンEには抗酸化作用がある。
ビタミンCとビタミンEは一緒に食べることでビタミンEの効果が高まるため、両方含むたけのこは美容効果が期待できる。 |
たけのこにはアンチエイジングや美肌作りに役立つ栄養素が豊富に含まれていて、美容をキープするためにもおすすめの食材です。
たけのこの便秘解消効果は老廃物を排出し、肌荒れやニキビの原因になる毒素を体内にためこまないことにもつながります。
たけのこの食べ過ぎまとめ
歯応えの良さと、程よいえぐみが春の訪れを感じさせる野菜がたけのこです。
たけのこには健康効果や美容効果があり、妊婦に必要な栄養素も豊富に含まれていて、積極的に摂取したいところです。
さまざまな料理によく合い、ご飯や汁物、おかずとたけのこが並び、気づけば食べ過ぎている可能性もあります。
たけのこは体に嬉しい効果がある一方で、食べ過ぎによって体に悪影響を及ぼしてしまう場合も。
たけのこの一日の摂取量を目安にして、適切な量を食べるように心掛けましょう。
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