オクラの食べ過ぎると体にどんな影響がある?下痢や腹痛?

オクラを食べ過ぎると下痢や腹痛などの症状が現れることがあります。

今回は、オクラを食べ過ぎたことにより体に起きる影響や、オクラはダイエットに向いているのかどうか、危険と言われる食べ方などに詳しく触れています。

その他にも、オクラの持つ栄養効果や、1日の適量をご紹介しています。

オクラを食べ過ぎないようにすることで、オクラの持つ栄養を十分に取り入れて健康な体を手に入れましょう。

オクラの食べ過ぎによる影響は?

オクラを食べ過ぎてしまうと腹痛や下痢や便秘を引き起こすことがあります。

その原因は豊富に含まれる食物繊維にあります。

オクラ10本(100g)あたりに含まれる食物繊維は約5gで、成人に必要な食物繊維の量の約4分の1にもなります。

食物繊維はヒトの消化酵素では消化されない炭水化物で、昔は役に立たないものとされていました。

今では様々な作用があることが研究により発見され、水に溶けるかどうかで不溶性と水溶性に分類され、オクラには不溶性食物繊維だけでなく、水溶性食物繊維がネバネバ成分として多く含まれています。

MEMO
  • 不溶性食物繊維:消化されずに大腸まで届き、水分を吸収して数倍から数十倍にも膨れる。便が柔らかくなりかさも増え、腸壁を刺激してぜん動運動を活発にすることで、便の排泄を促したりスムーズにさせたりする効果があり、食事の満足感の向上にも役立つ。
  • 水溶性食物繊維:オクラに含まれるネバネバ成分で「ペクチン」や「ムチン」と呼ばれる。粘りで胃を保護しながら、糖分の消化吸収の速度を緩やかにし、血糖値を安定させる。腸内の老廃物や有害物質を巻き込み、便とともに排出されやすくする。コレステロールの吸収を抑制することで、生活習慣病を予防する。

下痢

不溶性食物繊維は消化吸収されず、水分を吸収して何倍にも膨らむため、腸を刺激して蠕動運動を促し、下痢を起こしてしまうことがあります。

また、水溶性食物繊維には便を軟らかくする作用があるため、摂りすぎると軟便、下痢を引き起こしてしまいます。

食物繊維は大腸において腸内細菌の発酵を受けて「短鎖脂肪酸」というものを作りますが、この物質も、大腸の粘膜を刺激して蠕動運動を促進させ、下痢の原因になります。

下痢になってしまった場合はお腹を温め安静にし、水分の補給が大切です。

下痢の場合の水分補給には、水やお茶よりもスープやみそ汁、果汁などが適しています。失われたミネラルを水分とともに補いましょう。

腹痛

オクラを食べ過ぎて腹痛になるのは、ガスがお腹に溜まってしまうことが主な原因です。

食物繊維を食べた時に、小腸には繊維分を分解する酵素がないため、そのまま大腸へ送られて腸内細菌によって分解されます。

大量に食物繊維を食べると腸内細菌の発酵が活発になり、処理しきれない食物繊維が急激に増えるため、腸内にガスがたまってしまいます。

ガスはそれ自体は悪さをおこしませんが、不快感や腹痛が問題です。

オクラをたくさん食べると、腸内のガスの量が増えて、おなかが張る、痛む、おならが出やすくなります。

しかも日本人は、長年の野菜中心の食生活から大腸が長く、ガスがたまりやすい腸を持ちます。オクラは適量を食べるようにし、できてしまったガスはうつぶせ寝で下に降ろし、楽に排出しましょう。

便秘

オクラを食べ過ぎた時に腸内に水分が少ないと、便秘になってしまうことがあります。

オクラにはネバネバ成分の水溶性食物繊維が多く含まれていることが特徴ですが、水に溶けにくい不溶性食物繊維のほうが含有量は多いです。

不溶性食物繊維が腸の中に入ると、周りの水分を吸収します。

腸内に水分がたくさんある状態では腸内の水分を吸収して便のカサを増やし、腸の蠕動運動を活発にしてくれ腸内をきれいにしますが、腸の中に水分が少ない状態だと、腸の環境を保つための水分まで便に奪われてしまいます。

すると、便がカチカチになり、腸の滑りも悪くなるので便秘になってしまいます。

便秘を予防するためには水分を十分にとることが大切です。

アレルギー

オクラのアレルギーはあまり見かけられませんが、存在します。

オクラばかり食べていると、食べ過ぎることによってアレルギーになってしまうことがあるので、一日の適量を守って楽しみましょう。

食物アレルギー

アレルギーのある食品を食べて2時間以内に発症し、多くは30分以内に発症します。

  • 顔や体に蕁麻疹が出る
  • のどがイガイガしてかゆく、吐き気や嘔吐する
  • 咳が出てきてのどがむくみ、息が苦しくなる
  • 下痢、腹痛

などの症状が赤ちゃんから大人まで様々な年代で起こります。

皮膚症状が最も多く、年齢が上がるとともに治っていくことが多いです。

ときにはアナフィラキシーという重い症状が現れることがあるので、食べていて違和感があったら医療機関を受診して検査をしてもらいましょう。

口腔アレルギー

生の野菜を食べた後に、唇や口の中、のど、耳の奥などにかゆみや腫れ、痛みを感じるものが口腔アレルギーです。

このアレルギーは特定の植物の花粉症と関連があり、アレルギーをもつ花粉と似たような構造のタンパク質を含む食べ物に反応してしまいます。

そのため花粉症の人に多いアレルギーです。

良く加熱すれば症状が起きにくいとされているので、オクラを食べてアレルギー症状が出たことのある方はしっかりと加熱して、十分に注意して少しだけ食べてみましょう。

それでも症状が出る場合は医療機関を受診して医師に相談してみることをお勧めします。

MEMO

オクラの産毛によってアレルギーを持っていなくても口の周りにかゆみを感じる方がいます。オクラを食べる際にはしっかりと下処理をして産毛を取ってから食べましょう。

スポンサードリンク

オクラの食べ過ぎが危険だと言われる理由は?

オクラに含まれる栄養素で、摂りすぎが心配される栄養素は「食物繊維」です。

オクラを食べ過ぎることで食物繊維を摂り過ぎによる「下痢」や「便秘」などのお腹の不調が引き起こされる可能性があります。

もともとお腹を壊しやすい人や、「過敏性腸症候群」の方は注意が必要です。

MEMO
  • 過敏性腸症候群とは
    検査を行っても目に見える異常がないにもかかわらず、下痢、腹痛、腹部膨満感、ガス、便秘などの症状に悩まされる病気です。人口の10%程度の人が症状を抱え、特に女性に多いという報告がされています。

オクラでダイエットはむいてる?

オクラのネバネバには腸の調子を整える「水溶性食物繊維」が豊富に含まれており、食べ物に含まれる糖や脂質、コレステロールの吸収を抑制してくれたり、腸内細菌の中の善玉菌を増やす効果があります。

また、「不溶性食物繊維」には整腸作用があり、適量を摂れば便通を改善してくれます。

現代の食生活では食物繊維は不足しがちな上に、ダイエットで食事量を減らしたりすると足りなくなる場合が多くあります。

食物繊維の多く噛み応えのあるオクラをよく噛んで食べることで満足感も得られ、腹持ちもよく、ダイエットには最適です。

ちなみに、オクラと同じく食物繊維の多く含まれるごぼうとさつまいもと比べるとカロリーが低い事もダイエットに向いています。

食物繊維量 糖質 カロリー
オクラ

(10本100g)

5.0g 6.6g 26kcal
ごぼう(100g) 5.7g 15.4g 58kcal
さつまいも(100g) 1.6g 31.9g 126kcal

オクラダイエットのポイント

オクラダイエットの注意したい点を紹介します。

オクラばかり食べ過ぎない

食べ過ぎると摂取しすぎた食物繊維が下痢や便秘を招くことがあります。

オクラばかり食べず他の食品と合わせてバランスよく食事をすることで、必要なミネラルやビタミンを取り入れて健康的な体を手に入れるよう心がけましょう。

食前に食べる

オクラのネバネバ成分の水溶性食物繊維ですが、先に摂取したほうが食事に含まれる糖質の吸収を和らげる効果が大きくなります。

また、先にオクラを食べることで満腹感を得やすくなり食べ過ぎを防げます。

オクラの優れた栄養効果

オクラに含まれる栄養をご紹介します。

食物繊維
  • 水溶性食物繊維:オクラに含まれるネバネバ成分(ガラクタン、ペクチンなど)が余分な糖や脂質を排出する。
  • 不溶性食物繊維:腸内環境の整備、食事の満足感の向上。
β-カロテン 植物に含まれる色素成分で、体内ではビタミンAとして作用し、抗酸化作用があり、ガン予防に有効があるとされる。
カリウム 余分なナトリウム(塩分)を排出し、血圧を安定させたり、筋肉のけいれんを防ぐ。
カルシウム 骨を形成し、丈夫にする。
イライラの解消。
マグネシウム 骨格を形成する。
様々な細胞が成長する際の成分になる。

オクラの一日の適量

どんなに良いと言われる食べ物も、食べ過ぎると体によくありません。

様々な栄養素を色々な食材から摂ることを心掛けましょう。

一日の適量

食物繊維は不足しがちな栄養素ですが、水溶性食物繊維の多いオクラは過剰摂取によりお腹がゆるくなることがあります。

オクラの一日の摂取量は3本程度がいいでしょう。

オクラ1パックには大体5~6本入っているので、多くても一日1パックにして、多く食べてしまったときはお腹の様子に注意を払い、その後の食事は消化に良いものを食べるようにしましょう。

オクラの食べ過ぎを防ぐ効果的な食べ方

オクラが好きな方はそのままで食べるとあっという間に何本もパクパクと口に入ってしまいます。

なので、細かく切って食べると食べ過ぎを予防できます。

また、栄養を効率よく摂取するためには生で食べたり、油と一緒に食べることがおすすめです

細かく切る オクラの繊維質が細かくなり、胃や腸にやさしくなり、満腹感も増える。
生で食べる 胃腸が弱っている場合は茹でたほうが消化に良いが、生でサラダにして食べると、水溶性食物繊維の「ペクチン」などが水に溶けださずに摂取できる。
油と一緒に食べる β-カロテンは油とともに食べると吸収率が上がるので、ドレッシングは油を含むものにしたり、脂質の多いチーズと一緒に食べると効率的。
MEMO

生で食べる時は、塩で板摺をすることで下処理すると、色が鮮やかになり口当たりもよくなり、産毛でかゆみが出ることも予防できます。

オクラの食べ過ぎまとめ

オクラにはネバネバ成分の水溶性食物繊維が多く含まれ、ダイエットにも最適な食品ですが、食べ過ぎると下痢や腹痛、便秘を引き起こすことがわかりました。

一本ずつだとついつい食べ過ぎてしまいますが、細かく切ることでボリュームや満足感が増えるので、工夫してみてください。

上手にオクラと付き合って、健康できれいな腸を手に入れましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です