菜の花とからし菜はどちらも黄色い花を咲かせる春の野菜で、パッとみて見分けがつきにくいですが、見た目や味に特徴的な違いがあります。
菜の花とからし菜の違いを知ると、新しい視点で菜の花畑を見ることができ、春の味覚をより深く堪能できます。
それぞれで異なる味や香りを生かしたおすすめレシピもご紹介していきますよ。
菜の花とからし菜の両方を手に入れることができたら、見比べたり食べ比べて違いを楽しんでみてください。
菜の花とからし菜の違いは?
菜の花は「アブラナ科アブラナ属」の野菜の中で黄色い花を咲かせるものの総称なので、厳密にはからし菜も「菜の花」に含まれます。
食べられる「菜の花」は正確には「菜花(なばな)」と呼びますが、この記事では菜花(なばな)のことを「菜の花」として書いています。
菜の花とからし菜は見た目や味だけでなく、生産されている場所や品種、栄養に違いがあります。
一つずつ見ていきましょう。
菜の花 | からし菜 | |
見た目 | 葉が茎を包むようについていて、葉の淵の形が波打っている。
黄色い花びらが十字型に4枚付いている。 |
葉が茎から離れて枝のようについていて、葉の淵の形がギザギザしている。
黄色い花びらが菜の花より一回り小さく、Hの形に4枚付いている。 |
味 | 甘みとほろ苦さがあり、からし菜よりもクセがなく食べやすい。 | 特有のピリリとした辛みと香りがあり、クセが強く苦みがある。 |
生産地 | 千葉県、徳島県、香川県で主に生産されている | 北海道、東北、関東が主な産地。
河川敷や荒れ地に生えている事も多い。 |
主に生産されている品種名 | アブラナ科の「セイヨウアブラナ」 | アブラナ科の「セイヨウカラシナ」 |
栄養 | 体内でビタミンAに変化して活性酸素を除去し、免疫力を高めがん予防効果があるβカロテン、カルシウム、造血作用のある葉酸や、整腸作用のある食物繊維、高血圧予防効果のあるカリウム、酸化防止効果のあるビタミンCを含む。 | 菜の花よりもカリウム・カルシウム・B-カロテン・葉酸が多く含まれるが、ビタミンCは菜の花より少ない。
食欲増進作用や抗菌作用のある辛味成分のシニグリン酸を含む。 |
菜の花とからし菜はレシピも違う?
菜の花はほろ苦く、甘みがあり胡麻和えやお浸しが合います。
菜の花をゆでたゆで汁はとても濃く美味しいため、だしの代わりに使えます。
天ぷらも苦みが抑えられ食べやすくなるのでおすすめです。
からし菜はクセが強く辛みもあるので漬物や炒め物がおすすめです。
沖縄ではからし菜は「シマナー」と呼ばれ島野菜として愛され、油いためや漬物に使われています。
塩漬けしたものを「チキナー」と呼び、軟らかく辛みも和らぎ食べやすく見た目も鮮やかになります。
それを豚バラ肉と豆腐と炒めると「チキナーチャンプル」と呼ばれるそうです。
菜の花のお浸し
〇材料
菜の花 | 1束200~300g |
お湯 | 1ℓ |
塩(茹で用) | 小さじ1 |
A 醤油 | 大さじ1 |
A みりん | 大さじ1 |
鰹節 | 2g |
〇作り方
- Step1切る菜の花は根元が乾燥していたら少し切り落とし、好みの幅に切る。
- Step2茹でる鍋にお湯を沸かし、塩を入れて茎が太いものから茹で始め、1分経ったら穂先を入れて30秒ほど茹でる。
- Step3水切りゆであがったらゆで汁100mlをとりわけ(ゆで汁を捨てないように注意)、菜の花を冷水にさらし、手で水を絞りしっかりと水切りをする。
- Step4加熱する耐熱ボウルにAを入れてラップをして600Wの電子レンジで20秒加熱する。(みりんのアルコールを飛ばすため)
- Step5和えるゆで汁に4を入れて菜の花と和えた後、冷蔵庫で10~15分味をなじませて器に盛り、鰹節をかけたら完成。
からし菜の漬物
〇材料
からし菜 | 1束300g |
塩(下漬け用)重量の3% | 9g |
水(アク抜き用) | カップ1 |
塩(本漬け用)下漬けした重量の1% | 2g程度 |
鷹の爪 | 1~2本 |
昆布 | 10㎝ |
〇作り方
- Step1塩をかける洗ったからし菜に塩を振り、容器に詰め、上から残りの塩をかける。
- Step2水を入れる呼び水として水を容器の淵から静かに入れる(塩を流してしまわないため)
- Step3重石を乗せる押し蓋をして重石を乗せる。2~3回天地返しする。(上のからし菜と下のからし菜を入れ替えること。かき混ぜすぎてぐちゃぐちゃにならないように注意。)
- Step4下漬け終了からし菜全体がかぶるくらいに水が上がったら下漬け終了。
- Step5優しくもむ出てきた水は捨てて、下漬けしたからし菜に水(分量外)をかけて色が鮮やかになるまで優しくもむ。
- Step6本漬け優しく絞り、種を取り輪切りにした鷹の爪と細切りにした昆布を加えて塩を入れて容器に入れ、重石を乗せる(本漬け)。2~3日して食べごろになる。
※2度漬けすることでアクが抜けて食べやすくなります。
※2度漬けせず、浅漬けにすると沖縄では「チキナー」と呼ばれ、豚肉や豆腐と炒めたチキナーチャンプルがおすすめです。
チャーハンにも合います。
調理の際は塩加減に注意してください。
まとめ
菜の花とからし菜は一見同じように見えますが、見た目や味に違いがあり、合う料理も異なっています。
菜の花とからし菜の違いを目で見たり、色々な料理に試してみて異なる味や風味を楽しんでみてください。
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