独特の苦みが美味しい菜の花は春を告げる野菜です。
出回る期間はとても短いですが、栄養も豊富に組まれています。
しかし美味しい野菜とはいえ、食べすぎはよくありません。
食べすぎた時どうなるのか、症状や対処法を解説していきます。
一日の適量や栄養についても解説しますので、菜の花が出回る時期のために知識をつけておきましょう。
菜の花を食べすぎるとどうなる?
菜の花を食べすぎるとどうなるかはあまり知られていませんよね。
食べすぎたときに起きる症状について解説していきます。
下痢、腹痛
まず考えられるのは下痢、腹痛です。
菜の花には食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維は、腸内環境を改善して便秘の解消に効果がありますが、摂りすぎると腸への刺激が強くなりすぎて下痢を引き起こしてしまうのです。
アレルギー
菜の花はブロッコリーと同じアブラナ科の植物、野菜です。
アブラナ科の野菜にアレルギーがある場合は菜の花でもアレルギーを引き起こす可能性があるので注意が必要です。
食物アレルギーは食べ過ぎで起こるというわけではありません。
食べてから30分以内に全身のかゆみや発疹、嘔吐、呼吸困難などの症状が表れた場合は菜をの花によるアレルギーの可能性がありますので、すぐに医師に相談してください。
貧血
ごく稀なケースですが、菜の花を長期間に渡って食べすぎると貧血を引き起こす可能性があります。
菜の花は葉酸というビタミンを豊富に含んでいます。
葉酸は、血液成分の合成やDNAの合成などに関与していて、妊婦さんは特に積極的に摂ってほしい栄養ですが、葉酸を摂りすぎるとビタミンB12の不足に気づけない場合があります。
葉酸はビタミンB群の仲間であり、葉酸が体内にたくさんあるとビタミンB12の不足が発見しづらくなる場合があるのです。
ビタミンB12も血液の合成に関与しているため、不足すると貧血を引き起こしてしまうという訳です。
食べすぎた時の症状として紹介しましたが、基本的には、菜の花を食べすぎて何らかの健康被害が出ることは多いわけではありません。
含まれている栄養を過剰に摂取した場合の症状を解説していますが、葉酸の過剰摂取によるビタミンB12不足からの貧血、というケースは、そう多くはありません。
何事にも適量があり、菜の花ばかり食べるのではなく、他の肉や米、野菜をバランス良く食べることが大切です。
菜の花を食べすぎた後の対処法は?
菜の花を食べすぎてしまったときは次の対処法を実践してみてください。
- 薬を飲む・・下痢の症状がある場合は下痢を止めることがまずは大切です。
- 水分を摂る・・下痢のときは脱水にも要注意です。お腹を冷やさないように温かいものが良いでしょう。
- 消化の良いものを食べる・・食物繊維で腸が刺激を受けているので、お粥など消化に良いものを食べましょう。
- 貝類を一緒に食べる・・ビタミンB12の不足に陥らないように、ビタミンB12を豊富に含んでいる貝類を食べるのも良いでしょう。
食べすぎてしまったときに最初に現れる症状は腹痛や下痢です。
まずはその症状に対処していきましょう。
貧血への対処は、摂取した栄養素とのバランスを取るためというイメージです。
普段から貧血ぎみであるという場合は対策しておいた方が良いでしょう。
菜の花の1日の適量
菜の花の1日の適量を示す具体的なデータはありません。
菜の花はお浸しにして食べることが多いですが、1人当たりの生の菜の花の分量はおよそ50~60gほどです。
菜の花は独特の苦みがあり、一度にたくさん食べるものではないということを考慮すれば、1日の適量は多くても70g程度であると考えられます。
生の菜の花100gの栄養
カロリー | カロテン | ビタミンC | 葉酸 | 食物繊維 |
33Kcal | 2200μg | 130mg | 340μg | 4.2g |
特にカロテンが多く含まれていることが分かりますね。
カロテンに関しては、18歳以上の摂取量の上限が1日に3000μgまでと定められており、18歳未満の子供はさらに上限が少なく設定されています。
カロテンはニンジンやほうれん草など緑黄色野菜に多く含まれている栄養素です。
18歳未満の子供が、菜の花や他の緑黄色野菜を大量に食べると上限を超えてしまう可能性があるので注意が必要です。
菜の花の栄養と効能
菜の花に含まれている栄養素と効能について解説します。
栄養素 | 効能 | 含有量(生のもの100g当) |
ビタミンC | コラーゲンの生成に関与し、美肌効果。
抗酸化作用で老化防止やがん予防にも期待。 |
130mg |
カロテン | 抗酸化作用でがん予防に。
体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の保護にも関与。 |
2200μg |
カルシウム | 骨や歯の形成。
神経伝達や筋肉収縮にも重要な役割。 |
160mg |
葉酸 | 血液合成やDNA合成。
妊婦は胎児の成長のためにも積極的に摂取を。 |
340μg |
鉄 | 赤血球成分となり、貧血予防に重要。 | 2.9mg |
食物繊維 | 腸内環境のを整える。
便秘改善だけでなく、免疫機能の向上にも関与。 |
4.2g |
菜の花には豊富な栄養が含まれており、野菜の中でトップクラスと言えるでしょう。
まとめ
菜の花を食べすぎてしまったときは、まずは腹痛や下痢などの胃腸症状が出ないか注意しましょう。
症状が表れても自然と収まりますが、痛みが強かったり収まらない場合は下痢止めを服用したり医師へ相談しましょう。
菜の花を長期的に食べすぎると貧血を引き起こす可能性がありますが、菜の花が市場に出回るのは1月~3月の限られた期間だけであるため、神経質に心配しすぎることもないでしょう。
食べすぎは良くないというのは菜の花だけでなく、他の野菜や食べ物でも言えることです。
1日の適量を守って、美味しく春の食材を楽しみましょう。
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