沖縄県に古くから伝わる島かぼちゃというかぼちゃがあります。
島らっきょう、島とうがらしなど、島○○がたくさんある沖縄県ですが、島かぼちゃの知名度はあまり高くはなさそうですね。
旬の時期はいつか、味や食べ方、切り方、レシピはどんなものがあるか、価格など気になる島かぼちゃの特徴をまとめてご紹介します。
カロリーなどの栄養面についても一般的なかぼちゃと比較しながら解説していきます。
沖縄県では家庭での栽培も行われているようです。育て方についても触れていきましょう。
お目にかかる機会は少ないかもしれませんが、独特な文化を持つ沖縄県の伝統野菜、島や際の魅力に迫っていきましょう。
Contents
島かぼちゃの特徴
島かぼちゃは古くから沖縄県で栽培されていたかぼちゃです。
沖縄県内の農家がそれぞれに種を採取し、栽培していたため、様々な大きさや形のものがあります。
一般的なかぼちゃに似た形のものもあれば、瓢箪型や楕円形のものもあるようです。
沖縄県という温暖な気候で育つため、暑さに強く、1つの株からたくさん収穫できることも特徴です。
沖縄方言で、一般的なかぼちゃのような平たくて縦溝が入った形のものをチンクワー、長くて表面がスベスベしているものをナンクワーと呼びます。
読み方・別名 | しまかぼちゃ 沖縄方言:チンクワー、ナンクワー |
旬の時期 | 収穫:5月~11月 美味しい時期:7月~1月頃 |
産地 | 沖縄県 |
食べ方 | 煮物、天ぷら、炒め物、和え物 |
味について | 甘味はなく、少し水っぽくさっぱりしている。 食感はねっとり系で、乾燥させると歯ごたえが出て食感が良くなる。 |
島かぼちゃの味や食感
- 味
甘味はなく、水分が多くさっぱりしている。 - 食感
ねっとり系。
日本かぼちゃに分類されるため、現在一般的に出回っている西洋かぼちゃのようなホクホク感はない。
乾燥させることで歯ごたえが出る。
貯蔵後の味や食感
収穫時に皮が緑色であるものは、オレンジ色に変われば熟した証拠です。
水分が飛んで糖度が上がります。
島かぼちゃの産地
島かぼちゃは沖縄県で古くから栽培されていたかぼちゃです。
暑さに強い品種で、温かい地域で良く育ちます。
沖縄県の他には九州地方でも栽培されていますが、栽培数は多くはありません。
収穫量が少ないために本州で見かけることがあまりないんですね。
島かぼちゃの旬の時期
沖縄県内では早いものは5月頃から収穫できるようになります。
11月頃まで収穫は続き、県内の産直市場やスーパーに出荷されます。
熟した方が糖度は増して美味しくなるので、美味しい時期は7月以降のものといえそうです。
島かぼちゃは貯蔵性に優れたかぼちゃでもあり、収穫後貯蔵しながら年中楽しむことができます。
島かぼちゃの形や中身の色
- 形
瓢箪型のものが多い。
他にも丸いものや楕円形のもの、細長いものなど様々。
農家や家庭でそれぞれに種を取り栽培してきたため、他品種との自然交配や変異などで様々な形が生まれた。 - 色
皮:緑色に白い模様がある。熟せばオレンジ色になる。
中身:濃いオレンジ色 - 大きさ
およそ1kg程度のものが多いが、10kg近く育つものもある。
島かぼちゃのカロリー
島かぼちゃのカロリーを、他の日本かぼちゃ、一般的に出回っている品種の西洋かぼちゃと比較してみましょう。
(生のもの100g当たり)
島かぼちゃ | 日本かぼちゃ | 西洋かぼちゃ |
26Kcal | 49Kcal | 91Kcal |
圧倒的に島かぼちゃのカロリーが低いことが分かりますね。
島かぼちゃは水分が多いためカロリーも抑えられると考えられます。
島かぼちゃの栄養
島かぼちゃの栄養も、他のかぼちゃと比較してみましょう。
項目 | 島かぼちゃ | 日本かぼちゃ | 西洋かぼちゃ |
レチノール当量 | 176μg | 60μg | 330μ |
ビタミンK | 82μg | 26μg | 25μg |
ビタミンB1 | 0.06mg | 0.07mg | 0.07mg |
レチノール当量というのは体内でビタミンAに変わる成分のことです。
レチノール当量が多ければビタミンAが豊富と言い換えてもいいでしょう。
それぞれのビタミンの働きを解説します。
ビタミンA
- 抗酸化作用があり、がん予防の効果がある。
- 皮膚や粘膜の再生にも関わり、健康に保つ。
- 不足すると、夜盲症といって薄暗い所での視力の低下につながる。
ビタミンK
- 血液の凝固に関係する。
- 骨へのカルシウム吸収も促進する。
- 不足すると出血時に固まるのが遅くなる。骨粗しょう症のリスクも。
- 血栓予防などでワーファリンを服用している人は摂取量に注意が必要。
ビタミンB1
- 糖質の代謝に関与し、エネルギー生産に栄養を与える。
- 疲労回復に必要なビタミン。
島かぼちゃの切り方
島かぼちゃは様々な形があるので切り方に迷いますよね。
料理ごとにオススメの切り方を解説します。
煮物にするとき
- 角切り
- くし切り
炒め物にするとき
- 薄切り
基本的な切り方は一般的なかぼちゃと変わりません。
形が違っても、種とワタを取り除いて同じように切りましょう。
サイズが小さいものが多いので、大きな西洋かぼちゃよりも切りやすいですよ。
島かぼちゃの育て方・栽培方法と収穫時期
島かぼちゃは沖縄県では家庭でもよく栽培されているかぼちゃです。
暑さや病気に強く、生育も旺盛なので家庭菜園にもオススメです。
- 種まき:4月~6月
- 収穫:7月~10月
- 芽が出て、ツルが伸びだしてからも間引きなどは必要なく、放任栽培で旺盛に育ちます。
- 実を確実に大きくするには人工授粉をオススメします。
島かぼちゃの収穫時期
沖縄県内では早ければ5月から収穫が始まり、11月頃まで続きます。
その他の地域で家庭菜園等で育てる場合は7月下旬以降に収穫できるようになります。
島かぼちゃの価格
沖縄県や九州の栽培地域以外で購入する場合はネットでの購入になります。
ネット通販では1玉200円から販売されており、高いものは700円近くする場合もあるようです。
地元の市場では小さいものなら100円ほどで買える場合もあるようです。
種は300円~400円で販売されています。
島かぼちゃの食べ方やレシピ
島かぼちゃは水分が多く、さっぱりとした味です。
煮崩れしにくいので煮物に向いているほか、和え物にしても美味しいです。
島かぼちゃのツナ和え
- 皮をむいて、種とワタを取り除いた島かぼちゃを角切りにする。
- 水から、柔らかくなるまで茹でてる。
- ツナと合わせてマヨネーズで和えて完成。
島かぼちゃはねっとりとした食感ですが、乾燥させることで歯ごたえが良くなります。
乾燥島かぼちゃ
- 皮をむいて種とワタを取り除いた島かぼちゃを5mm幅にスライスする。
- ザルや干し野菜用のネットに切ったかぼちゃを重ならないように並べ、日当たりが良く、風通しの良い場所で干す。
- 完全に干すなら4~5日で完成、保存容器で2週間ほど保存できる。
- セミドライなら半日ほどで完成、冷蔵庫で5日ほど保存できる。
- 完全ドライのものは水かぬるま湯に15分浸けてもどしてから使用する。
- 煮物や和え物に使える。
さっぱりした味わいなので、少し濃い目に味付けするのがポイントです。
沖縄以外の島かぼちゃ
島かぼちゃといえば沖縄県で古くから栽培されていたものを指しますが、鹿児島県の奄美大島でも島かぼちゃが栽培されています。
現地では、トッツブルと呼ばれています。
- 形
扁平型で、一般的なかぼちゃと似ている。 - 色
薄緑色~薄橙色 - 大きさ
約2kgの大型種 - 食感
大型種であるが果肉は薄く、繊維質。煮物にしてもザラつきが残る。 - 食べ方
味噌汁の具や煮物
主に収穫できるのは紹介したような見た目ですが、形や色は様々です。
奄美大島の島かぼちゃも家庭菜園で栽培し、種も直採取しているのがほとんどです。
品種の保存のために奄美市農業研究センターでも種を採取しています。
交配用や自家用で消費されることがほとんどのため、市場に出ることはめったにありません。
九州地方や沖縄でしかめったにお目にかかれない島かぼちゃ。
とても珍しいかぼちゃですが、日本に古くからあるかぼちゃで、家庭菜園でも簡単に栽培することができます。
気になった方はぜひ、島かぼちゃを育ててみてください。
ユニークな形、色の島かぼちゃなので、どんな模様のかぼちゃが出来るのか、収穫するときも食べる時も楽しめますよ。
普段のホクホク甘いかぼちゃではなく、日本古来のさっぱりとした味わいのかぼちゃを堪能してみてください。
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