鹿ケ谷かぼちゃは京都府を産地とする日本かぼちゃです。
瓢箪のようなユニークな形が特徴ですが、その姿はスーパーではなかなかお目にかかることがありません。
味はどうか、旬の時期はいつか、価格はいくらか、切り方や食べ方など、一般的なかぼちゃと違ってわからないことだらけですよね。
鹿ケ谷かぼちゃの魅力的な特徴をご紹介するとともに、カロリーなどの栄養面の解説もしていきます。
栽培方法やレシピもご紹介します。
京都へお出かけの際はぜひ探して手に取ってみてください。
Contents
鹿ケ谷かぼちゃの特徴
鹿ケ谷かぼちゃは形が特徴的で、瓢箪のように真ん中がくびれた形をしています。
日本かぼちゃに分類され、水分が多くねっとりしています。
1804年~1817年の間に、現在の京都府東山区の農家が津軽(青森県)から持ち帰ったかぼちゃの種を、現在の京都府左京区鹿ケ谷の農家に分けて栽培したところ瓢箪型のかぼちゃができ、栽培が始まったとされいます。
200年以上も前に誕生したかぼちゃが現在でも栽培されているんですね。
京都では「おかぼ」と呼ばれ親しまれていたそうです。
読み方・別名 | ししがたにかぼちゃ/おかぼ |
---|---|
旬の時期 | 8月中旬~9月中旬 |
産地 | 京都府 |
食べ方 | 煮物、天ぷら |
味について | ねっとり、一般的なかぼちゃのような甘味はあまりない |
鹿ケ谷かぼちゃの味や食感
食感
水分が多くねっとりしている。
味
甘味は少なく、さっぱりとしてる。
貯蔵後の味や食感
2か月間貯蔵したとき、食感に変化はありませんが、糖度は収穫直後よりも上昇したという実験結果があります。
鹿ケ谷かぼちゃの産地
鹿ケ谷かぼちゃは京都府でのみ栽培されています。
しかし、栽培している農家さんは非常に少ないです。
鹿ケ谷かぼちゃを含む京野菜は輸入物や品種改良されて栽培しやすい他の野菜に圧されて栽培数が大幅に減少しました。
京都市は伝統野菜品種の保存を目的として蔬菜保存場を設置し、京都府各地の農家に栽培と種の保存を委託しています。
鹿ケ谷かぼちゃは京都市北区鷹峯の農家が保存を担っています。
その他、綾部市、京丹後市などでも栽培されているようです。
鹿ケ谷かぼちゃの旬の時期
鹿ケ谷かぼちゃの収穫は7月中旬~8月中旬にかけて行われます。
収穫時の濃い緑色から、熟して茶色になったころが食べごろと言われます。
1か月ほどで熟すので、美味しい時期は8月中旬~9月中旬と言えるでしょう。
鹿ケ谷かぼちゃの形や中身の色
形
- 瓢箪のように真ん中がくぼんでいる
見た目
- 皮がゴツゴツしていて、ボコボコとコブのようなものがある
- ブルームといって、かぼちゃ自身が実を守るために白い膜を張るため、表面が少し白っぽくなっている。
色
- 皮の色は一般的なかぼちゃと似たような濃い緑色。熟すと茶色くなってくる。
- 実の色は黄色~オレンジで、一般的なかぼちゃとあまり変わらない。
大きさ
2~3kgほどの大型。
一般的なかぼちゃが1.5~2kgなので、2倍近く大きなかぼちゃです。
タネはどこに?
一般的なかぼちゃは、切ると真ん中にワタと種がありますが、鹿ケ谷かぼちゃは瓢箪の下部分にワタと種があります。
鹿ケ谷かぼちゃのカロリー
鹿ケ谷かぼちゃのカロリーは正確なデータはありません。
鹿ケ谷かぼちゃのが属する日本かぼちゃのカロリーを参考に考えてみましょう。
(生のもの100g当たり)
日本かぼちゃ | 49Kcal |
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西洋かぼちゃ | 91Kcal |
現在一般的に出回っているのは西洋かぼちゃです。
西洋かぼちゃは日本かぼちゃよりも2倍近くカロリーが高いことが分かりますね。
鹿ケ谷かぼちゃは日本かぼちゃなので、カロリーも近いと言えるでしょう。
鹿ケ谷かぼちゃの栄養
鹿ケ谷かぼちゃのは一般的なかぼちゃと同じように栄養豊富です。
抗酸化作用で老化防止=カロテン
腸内環境を整えてお通じの改善=食物繊維
この2点は一般的なかぼちゃと同じです。
しかし、一般的なかぼちゃと少し違う点があります。
心血管疾患の予防に効果=リノレン酸
リノレン酸は、食物から摂取する必要がある必須脂肪酸で、エゴマ油に多く含まれています。
血中コレステロールの上昇を抑える効果や、血圧上昇を防ぐ効果があり、さらに血栓が出来にくくするという効果も認められています。
生活習慣病にとても有効な栄養素と言えるでしょう。
またリノレン酸は、脳の働きに関与するDHA(ドコサヘキサエン酸)の材料となりますが、うつ病の発症にも関与する可能性があるという研究結果もあります。
鹿ケ谷かぼちゃの切り方
鹿ケ谷かぼちゃは煮物にすると美味しいかぼちゃです。
縦半分に切ってワタとタネを取り除いてから切りましょう。
- 角切り
- くし切り
天ぷらにしても美味しく食べられます。
- 薄切り
- いちょう切り(瓢箪の上部分)
皮は硬いの剥くことをオススメします。
鹿ケ谷かぼちゃの育て方・栽培方法と収穫時期
種植え:3月~4月
植え付け:5月~6月
収穫:7月中旬~8月
- 基本的には一般的なかぼちゃと同じ。
- 湿害に弱いため、梅雨の時期は排水に注意すること。
- ツルが増えてきたら整枝する。
- 摘果も随時行う。
- 綺麗な瓢箪型にするには、適時上向きに座りなおさせるようにする。
鹿ケ谷かぼちゃの収穫時期
鹿ケ谷かぼちゃの収穫は7月中旬~8月中旬にかけて行われます。
収穫時に緑色のものは1か月ほどすると熟して茶色くなります。
緑色のものでももちろん食べられ、さっぱりとした味わいです。
鹿ケ谷かぼちゃの価格
鹿ケ谷かぼちゃは京都府内の産直市場やデパートで販売されています。
デパートでは1000円近い値段で販売されているようで、貴重で高価であることが伺えます。
京都府左京区鹿ケ谷にある安楽寺の門前では、鹿ケ谷かぼちゃをはじめとする京野菜が販売されており、鹿ケ谷かぼちゃは500円ほどで販売されているそうです。
産直市場とデパートでは金額にかなりの差がありますね。
種だけなら300円~350円ほどで販売されています。
鹿ケ谷かぼちゃの食べ方やレシピ
鹿ケ谷かぼちゃは煮物に向いているかぼちゃです。
煮物
- 鹿ケ谷かぼちゃを縦半分に切り、ワタとタネを取り除いてから角切りにする。
- 鍋に切ったかぼちゃ、だし汁、砂糖を入れて煮る。柔らかくなってからしょう油を加える。
- かぼちゃの甘味はなくさっぱりした味なので濃い目に味付けすることがオススメ。
鹿ケ谷かぼちゃの肉詰め
- 縦半分に切ってワタとタネを取り除く。
合挽ミンチ、みじん切りにした玉ねぎ、卵、パン粉を捏ねてハンバーグ種を作る。 - かぼちゃのワタを取り除いてできたくぼみにハンバーグ種を詰め、フライパンで蒸し焼きにする。
- ケチャップ、もしくは砂糖と醤油の甘辛いタレで食べる。
かぼちゃ自身がさっぱりした味なので、濃い目に味付けしても煮汁を吸って味が染み込むことで美味しくなります。
とても限定的に栽培されていて流通量がとても少ない鹿ケ谷かぼちゃですが、日本の伝統的な野菜で一度は食べてみたい野菜です。
貴重なため高価ではありますが、京都へお出かけの際は産直市場を覗いて、鹿ケ谷かぼちゃを探してみてください。
甘いホクホクした西洋かぼちゃも美味しいですが、日本古来からの鹿ケ谷かぼちゃの美味しさにもぜひ触れてみてください。
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