日本かぼちゃと西洋かぼちゃの違いは?味や見た目・調理法を比較まとめ!

かぼちゃには、日本かぼちゃ、西洋かぼちゃ、ペポかぼちゃの3種類があり、それぞれ違う特徴を持っています。

日本かぼちゃと西洋かぼちゃの大きな違いは食感や見た目ですが、他にもさまざまな違いがあります。

日本かぼちゃと西洋かぼちゃの違いを知っていると、特色を活かした調理もできるようになります。

今回はかぼちゃの中でも、種類の豊富な日本かぼちゃと西洋かぼちゃにしぼって、違いを見ていきます。

特徴をつかみやすいように、味、見た目、栄養、それぞれの種類などあらゆるポイントから違いを解説します。

かぼちゃの種類を特に気にせずに食べていることが多いですが、違いを知るとかぼちゃの選び方も変わってくるかもしれませんね。

日本かぼちゃと西洋かぼちゃの違い

普段食べているかぼちゃは西洋かぼちゃがほとんどで、流通している9割を占めます。

日本かぼちゃと西洋かぼちゃの違いは、食感や見た目によく表れます。

日本かぼちゃ 西洋かぼちゃ
見た目 皮の凹凸がはっきりして深い溝があるため、表面はゴツゴツしている。皮は黒色の種類が多いが、白色の種類もある。 皮の凹凸が少なく、表面はツルツルしている。形は丸みを帯びている。皮は緑色や濃い緑色。
西洋かぼちゃにはない独特の歯ごたえと風味がある。粘り気もあり甘さは控えめで、淡白な味わいの種類が多い。 一般的にかぼちゃの味と言えば西洋かぼちゃを指す。甘さが強く、日本かぼちゃの倍以上ある。
調理法 しっとり感を活かした調理に適していて、日本料理によく合う。煮崩れしにくく長時間の加熱にも対応でき、さまざまな調理に向いている。醤油との相性も良い。煮物やサラダ、蒸し物、揚げ物がおススメ。特に煮物は、薄味で時間をかけて煮ると良い。 ホクホク感を活かした調理に合い、蒸し料理との相性も良い。焼き物、蒸し物、揚げ物、炒め物、コロッケ、サラダ、ポタージュがおススメ。西洋かぼちゃの甘さはスイーツ作りにも適している。
食感 水分が多いため、粘質でねっとりとした食感になる。 水分が少なく、食物繊維が豊富で、ホクホクとした食感になる。このホクホク食感から「栗かぼちゃ」とも言われる。
栽培 高温多湿で病虫害に強く、西日本でよく生産される。栽培に手間がかかる割には収穫量が少なく、現在では流通しているかぼちゃの10%程度である。 冷涼な気候を好み、初心者でも栽培しやすい。北海道で日本で一番生産されている。
原産地 メキシコ南部から中央アメリカに至る地域 南アメリカのペルーやボリビア周辺

日本かぼちゃの種類

16世紀にポルトガル船の積み荷の一つとして日本に入って来たのが、日本かぼちゃと言われます。

日本かぼちゃは西洋かぼちゃよりずっと早くから食べられ、1960年代までは主流でしたが、洋食の浸透で西洋かぼちゃが中心になりました。

日本かぼちゃだけでも140種類以上がありますが、入手は難しくなっています。

黒皮かぼちゃ

  • 皮が緑色や黒色の日本かぼちゃの総称。菊かぼちゃとも呼ばれる。
  • 溝が深くゴツゴツしている。
  • 一般的な栗かぼちゃよりも小ぶり。
  • ねっとり食感で、優しい甘さがあり、煮崩れしにくい。

 

小菊かぼちゃ

  • 日本の伝統的なかぼちゃ。
  • 上から見ると、菊の花びらに似ている。
  • 直径約15cmの手のひらサイズ。
  • 皮は黒色。
  • 西洋かぼちゃとは異なる独特の食感があり、ねっとりとしている。
  • 煮物や、器にして好きな具材を詰めて蒸しても良い。

 

菊座かぼちゃ

  • 扁平で深い溝があり、上から見ると菊の花の形をしている。
  • 果肉は水分が多く、柔らかい。
  • 甘さは少なく、淡白な味わい。
  • そのものを食べる調理法よりも、好きな具材を詰めて食べられることが多い。

ちりめんかぼちゃ

  • 皮は固く、ちりめん状のシワがある。
  • 皮の色は白、オレンジ、黄、緑、マダラ模様などさまざま。
  • ねっとり食感でモチモチしていて、あっさりとした甘さがある。
  • モチモチ食感を活かしたグラタンなどの洋食にもおススメ。

島かぼちゃ

  • 沖縄で古くから食べられているかぼちゃで、暑さに強い。
  • ひょうたん型やだるま型など、形や大きさはさまざまである。
  • 水分量は多く、甘さは控えめ。
  • 煮物や炒め物にして食べられている。

鹿ヶ谷かぼちゃ

  • 京都特産の伝統野菜。
  • 皮はゴツゴツとし、大型サイズでひょうたんのような形が特徴。
  • 未成熟は濃い緑色で、熟すにつれて柿色に変わり、全体に白い粉をふいたようになる。
  • 甘さはないが、粘り気があり煮崩れしにくい。
  • 煮物や天ぷらがおススメ。

バターナッツ

  • 南アメリカ原産。
  • 形は縦長のひょうたんに似ている。
  • 上部はやや水っぽく、下部はフルーティーな優しい甘さがある。
  • 皮はベージュ色で中身は鮮やかなオレンジ色。
  • ナッツのような風味とバターのようなクリーミーな味わい。
  • 皮を含めて生でも食べられる。

万次郎かぼちゃ

  • 日本かぼちゃと西洋かぼちゃの交雑種。
  • 大きさや形は基本的にロロンカボチャに似ている。
  • 皮は濃い緑色でチラシ斑が入り、中身はオレンジ色。
  • ねっとりとした食感がある。
  • 貯蔵性は高い。
  • 水分が多くて柔らかいため、ポタージュやスイーツ作りにおススメ。
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西洋かぼちゃの種類

西洋かぼちゃは、家畜の飼料として19世紀頃に日本に入ってきました。

明治時代になり、現在のような食用かぼちゃとして改良され普及します。

当初は東北や北海道などの低温地域で栽培されていましたが、栽培方法が確立し、現在では全国で生産されています。

黒皮栗かぼちゃ

  • 西洋かぼちゃの代表的品種で、一般に売られているかぼちゃ。「みやこかぼちゃ」や「えびすかぼちゃ」、「くりゆたか」などの総称。
  • 皮には黒緑色に薄緑色の縞模様がある。
  • 溝は浅くて表面は滑らかで、中身は黄色。
  • 栗のようなホクホク食感と、強い甘さが特徴。
  • 煮物、てんぷら、サラダなど幅広い調理におススメ。

赤皮栗かぼちゃ

  • 皮が濃いオレンジや朱色であり、皮自体は薄い。
  • ヘタの辺りは玉ねぎのように突きだした形。
  • 小ぶりで1kg程である
  • ねっとり・しっとり食感で、甘さは強い。
  • 鮮やかな色を活かした料理がおススメ。

ロロンかぼちゃ

  • 2009年に販売された比較的新しい種類のかぼちゃ。
  • 形はラグビーボールに似ている。
  • 皮は濃い緑色でチラシ斑が入る。
  • 甘さは控えめだが、食感や味は栗かぼちゃに近く、きめ細かく滑らかな味わい。
  • ペースト状にしたロロンかぼちゃはスイーツ作りに最適。

栗マロンかぼちゃ

  • 栗かぼちゃの一種で、北海道栗山町で栽培されている。
  • デンプン質が一般的なかぼちゃの5倍で、甘く濃厚な味わい。

坊ちゃんかぼちゃ

  • 手のひらサイズのかぼちゃ。
  • ホクホクとした食感と強い甘さが特徴。
  • タンパク質やβカロテン、糖質などが豊富で、一般的なかぼちゃの3倍以上含まれている。

鈴かぼちゃ

  • 成熟前に収穫された栗かぼちゃ。
  • 坊ちゃんかぼちゃに似ていて、皮が柔らかく切りやすい。
  • 中身は明るい黄色であり、コリンキーに似た食感で生食向き。
  • 甘さはあまりなく、青臭さも感じる。

宿儺かぼちゃ

  • 凹凸のない細長いかぼちゃで、岐阜県高山市丹生川町周辺で栽培されてきた伝統野菜。
  • 1つあたり1000円から1800円の高級ブランドのかぼちゃである。
  • 皮は灰緑色に緑色の縞が入っている。
  • 加熱によって、ホクホク食感と甘さが出る。
  • ポタージュやスイーツ作りに適している。

長かぼちゃ

  • 細長い形が特徴的で、コストパフォーマンスが良い。
  • 加熱によってホクホク食感が出てくる。
  • ポタージュやスイーツ作りに向いている。

白皮栗かぼちゃ

  • 皮が白く、寒冷地で栽培されている。代表的な種類は、「雪化粧かぼちゃ」、「伯爵かぼちゃ」である。
  • 中身は鮮やかな橙色。
  • 皮は固めで長期保存も可能。
  • 長期保存によって、ホクホク感や甘さが強くなる。
  • シンプルな味つけの煮物、サラダ、ポタージュに適している。

コリンキー

  • 皮はレモン色で、中身は鮮やかなオレンジ色。
  • 大きさは500g~1kg程度。
  • 完熟前に収穫するため、クセがなく皮ごと生食できる。
  • 皮は柔らかく非常に切りやすい。
  • さっぱりした味わいで甘さは少なく、かぼちゃの味はわずかにする程度。
  • 薄切りでサラダにしても良い。

プッチィーニ

  • 手のひらサイズのミニかぼちゃ。
  • 形は扁平で軸の付け根にくぼみがある。
  • 皮は黄橙色にオレンジ色の縞が入っている。
  • 独特の甘さがある。

日本かぼちゃと西洋かぼちゃの栄養素の違い

日本かぼちゃも西洋かぼちゃも、βカロテンとビタミンE、ビタミンCを豊富に含んでいますが、特に多いのは西洋かぼちゃです。

日本かぼちゃよりも、西洋かぼちゃの方が甘さが強く、糖質やカロリーも西洋かぼちゃが高くなっています。

カロリーが気になるときは、日本かぼちゃを選んだり、西洋かぼちゃでも食べる量を減らしたりしてみましょう。

日本かぼちゃと西洋かぼちゃの栄養素比較

栄素養 日本かぼちゃ 西洋かぼちゃ 違い
カリウム 480g 430g カリウムは同程度
βカロテン 830μg 4000μg 日本かぼちゃ
∧(約5倍)
西洋かぼちゃ
皮にも豊富に含まれる
ビタミンE 2.2mg 4.7mg 日本かぼちゃ
∧(約2倍)
西洋かぼちゃ
ビタミンC 16mg 32mg 日本かぼちゃ
∧(2倍)
西洋かぼちゃ
葉酸 80μg 42μg 日本かぼちゃ
∨(2倍)
西洋かぼちゃ
葉酸のみ日本かぼちゃの方が多い
カロリー 49kcal 91kcal 日本かぼちゃ
∧(2倍)
西洋かぼちゃ
糖質 8.1g 17.1g 日本かぼちゃ
∧(2倍)
西洋かぼちゃ
デンプン デンプン質が少ない。 デンプン質が多い。 デンプン質の差が甘さの強弱に関係する

・すべて100gあたり
・「違い」の∨∧は差を表す

まとめ

“かぼちゃ”と一口に言っても、多様な種類がありますね。

かぼちゃは大きく、日本かぼちゃ、西洋かぼちゃ、ペポかぼちゃに分けられます。

ペポかぼちゃは見た目も独特で、食用の種類もありますが、ハロウィンで飾って楽しむことが多いかもしれません。

今回は日本かぼちゃと西洋かぼちゃを比較し、それぞれの特徴を解説してきました。

一番の違いは食感や見た目にありますが、それぞれのかぼちゃにもあらゆる種類があり、特徴を活かした調理をしてみるとより美味しく食べられそうですね。

今では西洋かぼちゃが主流になっていますが、日本で古くから親しまれてきた日本かぼちゃも是非食べてみたくなりますね。

種類による味の違いを楽しんでみてください。

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