あいこまち、という可愛らしい名前のさつまいもがあります。
2014年に品種登録された新しい品種のさつまいもです。
いったいどんな特徴のあるいもか、旬の時期や産地など、気になるところです。
あいこまちは、外観、食味に優れ、大きさがそろっているので使いやすいさつまいもです。
今回は、あいこまちの特徴や旬の時期、生産地などについて解説していきます。
食べるうえで気になるカロリーや糖度、栄養のことにも触れていきますよ。
べっぴんで味もよいあいこまちの魅力を知って、ぜひ食べてみてくださいね。
Contents
あいこまちの特徴
あいこまちは、見た目がよく、糖度が十分にある甘いさつまいもです。
ふつうにいもとして食べるだけでなく、加工にも向いています。
調理後の変色が少なく、お菓子などに加工しても見た目のよい物が作れるとされています。
2014年に品種登録された新しい品種のさつまいもなのですが、甘く、愛されるいもになるように、という意味での「あい」と、見た目のいいべっぴんのいもということで「こまち」で、「あいこまち」と名付けられました。
読み方・別名 | あいこまち |
旬の時期 | 収穫9月~11月頃 おいしい時期10月~1月ころ |
産地 | 茨城県 千葉県 |
食べ方 | やきいも ふかしいも 大学いも |
食感の種類 | しっとりよりのホクホク |
あいこまちの味や食感
あいこまちは、ホクホクしつつも、程よく水分を含んでしっとりとし、ホロリとくちどけのよいさつまいもです。
ペースト状にして、お菓子作りにもむいており、甘みも十分にあります。
あいこまちの糖度・甘さ
焼きいもや蒸しいもにした時のあいこまちの糖度に関する具体的な数値データは情報が少なく見つかりません。
しかし、品種の育成をしたあいこまちの開発をした国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 (農研機構)によると、紅あずまと同じくらい食味がよいとされます。
紅あずまは焼き芋の糖度が30度位と言われますので、あいこまちも、同じ程度の糖度30度かもう少し高い糖度を持つと考えられます。
また、さつまいもは、含まれる酵素の作用でデンプンが糖に変わることで甘くなります。
あいこまちの甘さに関する特徴の1つに、紅あずまよりβアミラーゼ活性が高く、糊化温度が低いということがあげられます。
簡単に言うと、紅あずまよりもあいこまちの方がより低い温度から酵素が強く働いて甘くなりやすいということです。
あいこまちの産地
あいこまちは、茨城県、千葉県で主に栽培されています。
あいこまちは、1014年に品種登録された新しいさつまいもで、農林水産省の統計をみても、作付けランキングなどには入っていません。
あいこまちの開発をした国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 (農研機構)によると、全国各地の栽培に適しており、関東地方を中心に栽培が見込まれているとのことです。
あいこまちの見た目や中身の色
皮は濃い赤紫色で、表皮に溝が少なく、紡錘形で整った外観をしています。
大きくなりすぎることなく、見た目のよいのさつまいもができます。
果肉の色は淡い黄色で、加熱すると色味が濃くなります。
作付面積日本第2位の紅あずまは、調理後色が悪くなりやすいという弱点があるのですが、あいこまちは鮮やかな色味を保てるので、見栄えの良いお菓子を作ることができるという点でも注目されています。
あいこまちのカロリー
あいこまちのカロリーについては、情報が少なく、具体的数値データが分かりません。
紅あずまの焼きいもが100g当たり130kcalなので、同じ程度か、それよりやや高めであると想像されます。
あいこまちの栄養
あいこまち独自の栄養に関するデータなどは情報が少なく、他のいもと比較することができません。
一般にさつまいもは、
- ビタミンC…豊富なデンプンに守られて熱に強い。
- カリウム…体内の塩分濃度調整を行う。
- 食物繊維…整腸作用がある。
- ヤラピン…便を柔らかくして排便を促す。
が豊富とされます。
あいこまちの旬の時期
あいこまちは9月ころから11月ころに収穫されます。
美味しくなるのは、収穫後の貯蔵を最低1カ月経た、10月頃から3月頃です。
低温管理されて貯蔵されたいもは、一年中楽しむことができます。
あいこまちを含めた数品種のさつまいもを生産する茨城県の生産者さんの情報によると、貯蔵することで、でんぷんが糖に変わって甘くなり、品種の特長も出てくるとのことです。
さつまいもは、最低1か月、最長1年貯蔵しているとのことです。
あいこまちの食べ方
- やきいも
- ふかしいも
- 大学いも
- いも羊羹などのお菓子類
あいこまちと紅あずまの違い
あいこまちの品種育成は、関東地方中心に広く栽培されている紅あずまの弱点を克服した新しいさつまいもを作り出す目的ですすめられてきました。
ここでは、あいこまちと紅あずまを比較して、あいこまちがどんな点で既存の紅あずまよりも優れているのか解説します。
あいこまち | 紅あずま | |
品種登録年 | 2014年 | 1984年 |
父 | 関系107号 病害虫に強い |
関東85号 |
母 | クイックスイート デンプンの糊化温度が低く 甘い |
コガネセンガン 多用途に向く人気品種 作付面積日本一 |
食味 | ◎ しっとりよりのホクホク 加熱後の変色が少ない |
◎ ホクホク 加熱後黒くなりやすい |
デンプンの糊化温度 | 70度 | 75度 |
貯蔵性 | 〇 | △ |
大きさ | 程よい大きさでそろう | 大きくなりすぎて見た目が 悪くなることもある |
病害虫への耐性 | 〇 | △ |
新品種あいこまちと既存品種紅あずまを比べると、食味の良さでは紅あずまに引けを取らず、大きさや色味、外観などであいこまちの方が優れていることが分かります。
病害虫に強く、貯蔵姓がいい点でも、あいこまちは、育てやすく流通させやすいいもであるといえます。
また、デンプンの糊化温度があいこまちの方が5度も下回っています。
さつまいもは、βアミラーゼという酵素がデンプンに作用し、糖に変化させることで甘くなります。
85度をこえると酵素の働きは失活します。糊化温度が低いとは、酵素が作用し始める温度が低いということで、糊化温度が低い方が酵素が働く温度帯が広くなり、甘くなりやすいことをあらわします。
まとめ
あいこまちは、大人気品種紅あずまをこえるべくして生み出された期待の新星ともいえるさつまいもです。
外観がよく、粒がそろって、食味も上々、色味もきれいということで、いもそのものの味を楽しむのにも、製菓にもむくスペックの高いさつまいもです
新しい品種なので、まだ見かけることは多くないかもしれません。
けれども、おいしさは折り紙付きの品種なので、見かけたらぜひ食べてみてくださいね。
生産者さんから直接お取り寄せもできますよ。
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