とみつ金時というさつま芋は古くからある品種のさつま芋ですが、糖度や旬の時期などの特徴はあまり知られていません。
金時というと鳴門金時が有名ですが、とみつ金時はどんな特徴を持つさつま芋なのか、産地やカロリー、食べ方なども合わせて解説していきます。
一般的なさつま芋とはどういう違いがあるのか、比較して見ていきましょう。
知られていないのがもったいないさつま芋です。ぜひその魅力を知ってください。
Contents
とみつ金時の特徴
とみつ金時は、富津金時と書きます。
福井県あわら市富津で栽培されており、その地名がついたのです。
昭和60年代から栽培されていて古くからある品種ですが、主に県内に出荷されているためあまり知られていません。
県内の若手農業者が生産拡大に取り組んでおり、大型の貯蔵用施設も整備して年中出荷できるようになっています。
読み方・別名 | とみつきんとき |
旬の時期 | 収穫時期=9~11月 |
産地 | 福井県 |
食べ方 | 焼き芋、スイーツへの加工 |
食感の種類 | しっとり |
とみつ金時の味や食感
とみつ金時は強い甘みがあり、程よい水分を含んでしっとりとした食感をしています。
栽培地域である福井県あわら市富津は、日本海からの強い風が吹き付けます。
土壌の性質は赤土を含むしっとりとした土で、さらに水はけも良いため、条件が重なることで美味しいさつま芋が育つのです。
貯蔵後の味、食感
さつま芋は収穫直後よりも一定期間貯蔵した後の方が甘味が引き出され、場合によっては食感も変わります。
とみつ金時も貯蔵後出荷されたものの方が甘いです。
キュアリング貯蔵と言って、温度と湿度を一定に保つことで甘みを引き出し、かつ長期的に保存が可能になり、年間を通して出荷できるようになります。
とみつ金時の約70%がキュアリング貯蔵されており、翌年の6月頃まで出荷が可能になります。
とみつ金時の糖度・甘さ
とみつ金時は強い甘みが特徴です。
正確な糖度はわかりませんが、多くのパティシエが注目していることからスイーツ作りにも適していて、しっかりとした甘みが感じられると言えるでしょう。
貯蔵後の糖度・甘さ
とみつ金時は貯蔵後の方が甘みが増しています。
どれくらい変わるのか正確な数値は分かりませんが、一般的なさつま芋と同じく、管理された温度、湿度によってさつま芋に含まれるデンプンが分解されることで甘みが増すのです。
貯蔵され、甘みが増したとみつ金時は、12月ころから出荷され始めます。
とみつ金時の産地
とみつ金時の産地は福井県です。
とみつ金時という品種の名前は漢字では富津金時と書き、福井県あわら市富津の地名からきています。
昭和60年代から富津地区で栽培が行われていました。
栽培地域は石川県との県境にあり、日本海からの強い風が吹き付けます。
土壌は赤土を含んで柔らかく、水はけも良いという特徴があり、美味しいさつま芋が育つ条件に適しているということです。
さつま芋は鹿児島県や茨城県で栽培が盛んですが、栽培されている品種は焼酎への加工用や紅はるか、紅あずまなどがほとんどで、福井県以外でとみつ金時を栽培している地域はほとんどないようです。
年間約500tが生産され、主に県内に出荷されます。
県内へ出荷、消費されるので知名度が低いのでしょう。
とみつ金時の見た目や中身の色
皮の色はピンクがかった赤紫色で、とても鮮やかな色です。
中は薄い黄色ですが、加熱すると食欲をかき立てるような明るい黄色になります。
形は、全体的にふっくらしていて、ある程度長さがあるものが良いとみつ金時だといえます。
良質なものの見分け方は一般的なさつま芋と同じで、
- 皮にハリがあるもの
- ひげ根が少ないもの
- 皮の色にムラがないもの
を選びましょう。
とみつ金時のカロリー
とみつ金時自体の正確なカロリーはデータがありません。
甘みが強い品種ですので、一般的なさつま芋と比べて高いと考えられます。
同じく甘みが強い紅はるかという品種と、金時系の代表である鳴門金時、一般的なさつま芋の3種類のカロリーを比較してみました。
品種 | 100g当たりのカロリー |
一般的なさつま芋 | 132Kcal |
紅はるか | 160Kcal |
鳴門金時 | 132Kcal |
同じ金時系である鳴門金時は一般的なさつま芋とおなじカロリーですが、とみつ金時は甘みが強い品種なので、糖度が低い鳴門金時よりもカロリーが高いことが予想されます。
紅はるかもとみつ金時と同じように甘みの強い品種です。
カロリーの面でいうと、とみつ金時は紅はるかに近いことが考えられます。
とみつ金時は、福井県内の若手農業者が生産拡大に取り組んでおり、スイーツなどの加工品の販売も多くなっています。
プリンやスイートポテトなどが販売されていますが、スイーツに加工されたものはカロリーが高くなります。
とみつ金時の栄養
さつま芋は食物繊維やビタミンCが豊富で、とみつ金時にも同等量含まれています。
さつま芋に含まれているビタミンCは加熱に強い特徴があるため、とみつ金時の焼き芋を楽しみながらしっかりとビタミンCを摂取することができます。
とみつ金時の旬の時期
とみつ金時の収穫時期は他のさつま芋と同じように9月頃から始まり、11月中旬まで続きます。
随時出荷されますが、福井県内で収穫されたとみつ金時の約70%がキュアリング貯蔵されて出荷を迎えます。
キュアリング貯蔵というのは一定の温度と湿度を保った施設で貯蔵することです。
貯蔵することで甘さを引き出し、長期保存が可能になります。
キュアリング貯蔵されたとみつ金時は12月頃から翌年の6月頃まで安定して出荷されています。
より甘いとみつ金時を手に入れたいなら12月以降が良いでしょう。
とみつ金時の食べ方
とみつ金時の農家がオススメしている食べ方は焼き芋です。
ホクホクとした食感ですが、水分も含んでいるため程よくしっとりとした食感を楽しめます。
パティシエも注目しており、とみつ金時を使ったスイーツの販売も広がっています。
- プリン
- スイートポテト
- タルト
甘みがあるとみつ金時ですが、その甘さを活かして普段の食事にもオススメです。
- グラタン
- さつま芋ご飯
- さつま芋のポタージュ
とみつ金時が加わることで、普段の料理もランクアップしますよ。
とみつ金時は古くからある品種ですが、福井県で生産され、県内で出荷、消費されるためあまり知名度はないかもしれません。
若手農業者が生産拡大に取り組み、スイーツへ加工して広く販売を進めており、今後全国に広がっていくことが予想されます。
しっかりとした甘みと程よい水分を含んだしっとりした食感のとみつ金時は焼き芋やスイーツはもちろん、食事にも合うさつま芋です。
ぜひとみつ金時を知って、ご家庭でもその美味しさを楽しんでください。
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