紅まさりは店で見かける機会も多い品種ですが、特徴はあまり知られていないと思います。
紅まさりの特徴は、上品な甘さと舌触りの良さ、形の揃いやすさです。
紅まさりの特徴を把握した上で、紅まさりの旬の時期に是非食べてみてください。
実は紅まさりは最近話題のシルクスイートの親でもあり、シルクスイートの食感や甘さは紅まさり譲りなのです。
今回は紅まさりの特徴を旬の時期やカロリー、産地、糖度といったポイントから解説します。
さらに、紅まさりのおススメの食べ方についても解説します。
“紅”と聞いて思い浮かぶさつまいもの一つに「紅はるか」があります。
同じ“紅”の付くさつまいもとして、紅まさりと紅はるかとを比較してみたいと思います。
今まで食べたことのないさつまいもにもチャレンジして、種類豊富なさつまいもを食べ比べてみても良さそうですね。
Contents
紅まさりの特徴
紅まさりの特徴は上品な甘さ、舌触りの良さ、形の揃いやすさにあります。
紅まさりは消費者にとっても、生産者にとっても、人気のある品種です。
読み方・別名 | べにまさり 登録品種名「かんしょ農林55号」 |
旬の時期 | 1月頃~3月頃 |
産地 | 茨城県 |
食べ方 | 焼き芋、干し芋、煮物、焼酎 |
食感の種類 | しっとり |
紅まさりは、皮の色と味が良い「九州104号」と、外観と味が優れている「九系87010-21」との交配によって、2001年に誕生しました。
紅まさりの味や食感
味や食感の特徴
- 水分が多く、さつまいもらしい味
- 繊維が少なく、舌触りの良い食感
紅まさりは、しっとり系のさつまいもで、ホクホク系とねっとり系のちょうど真ん中くらいに位置していて、従来のさつまいもの味を感じられます。
食感は滑らかで、のどごしが良く、シルクスイートの食感は紅まさり譲りと言えます。
熟成させることで、ねっとり感が出てきます。
紅まさりの糖度・甘さ
糖度や甘さの特徴
- 糖度は14度以上
- 上品な甘さ
一般的なさつまいもは糖度が7であり、紅まさりはその倍以上の甘さがあります。
紅あずまの糖度も14度程度とされていますが、紅まさりの方が甘いです。
非常に甘いように思われますが、滑らかな食感とのバランスから、実際にはしつこい甘さではなく、上品な甘さになります。
紅まさりは貯蔵することで余分な水分が蒸発し、甘さが増します。
紅まさりの産地
紅まさりの産地は限られていて、茨城県が最大の産地です。
茨城県の中でも、行方市で特に盛んに栽培されています。
さつまいもは九州で最も栽培されていますが、紅まさりは茨城県が中心で、茨城県産が広く出回っています。
紅まさりの見た目や中身の色
見た目や中身の色の特徴
- 紡錘形で両端がとがっている
- 大きさは中程度
- 皮はさつまいもらしい赤色
- 中身は淡い黄色で、焼き芋にすると鮮やかな黄色になる
紅まさりは形が揃いやすい品種とされており、栽培する側にとっても作りやすさから人気があります。
収穫量が多く、貯蔵性に優れていることも栽培人気の理由です。
皮や中身の色は比較的鮮やかで、さつまいもらしい色合いをしています。
紅まさりのカロリー
紅まさりのカロリーは、100g当たり132kcalで、一般的なさつまいもと同程度です。
紅まさりは糖度が高めでありながら低カロリーで、罪悪感なくスイーツ感覚で食べられますよ。
紅まさりの栄養
紅まさりも一般的なさつまいもと同様の栄養分が含まれています。
しかし、紅まさりには、従来のさつまいもにはない果糖やブドウ糖が含まれていると言われています。
この特徴が紅まさり特有の甘さの理由でもあります。
紅まさりの旬の時期
紅まさりは9月~11月頃にかけて収穫されます。
収穫直後に食べることもできますが、数ヶ月貯蔵することで水分が蒸発し、甘さが増します。
紅まさりが一番美味しくなるのは1月頃から3月頃にかけてで、この時期が紅まさりの旬です。
さつまいもといえば秋のイメージがありますが、紅まさりは年明けに旬がやってきます。
紅まさりの食べ方
紅まさりの特徴を活かした食べ方は、焼き芋、干し芋、煮物、焼酎です。
紅まさりは元々、焼き芋に適した品種として開発されましたが、焼き芋だけではなく幅広く活かせるさつまいもです。
焼き芋
紅まさりの特徴を最も引き出せる食べ方は、やはり焼き芋です。
しっかりとした甘さが感じられ、ねっとりとした焼き芋に仕上がることから、焼き芋の中でも紅まさりを選ぶ人も多いようです。
ゆっくり加熱し水分が抜けていくほど、甘みは凝縮され増してきます。
焼き芋にしても紅まさりは、密が溢れ出てくるほど水分が豊富に残っています。
干し芋
紅まさりは干し芋にしても美味しく食べられます。
焼き芋向きの紅まさりですが、干し芋にも適していて、どちらでも楽しめるのは紅まさり特有です。
干し芋にすると、食感はしっとりしつつも、焼き芋とは違ったさっぱりとした甘さになります。
家庭でもゆでて皮を向いた紅まさりを天日干しにするだけで、簡単に作れますよ。
煮物
紅まさりのしっとりとした食感は煮物にもよく合います。
肉じゃがのようにしょっぱく煮たり、レモン煮のように甘く煮たり、どちらでも美味しく食べられます。
焼酎
紅まさりは焼酎に多く使われています。
紅まさりは焼酎にすると、華やかな香り感じられ、さわやかな甘さも焼酎として人気の理由です。
紅まさりだけを使用した芋焼酎が作られるほど、好まれています。
紅まさりと紅はるかの違い
“紅”のつくさつまいもの代表といえば、紅はるかですよね。
紅まさりと紅はるかは食べた感じとしては似ている部分もあるようですが、細かい部分に違いがあります。
紅まさりと紅はるかの比較
紅まさり | 紅はるか |
甘み:十分 糖度:14度前後 |
甘み:強い 糖度:40度前後 |
食感:しっとり | 食感:しっとり・ねっとり |
カロリー:132kcal | カロリー:163kcal |
旬の時期:1月~3月頃 | 旬の時期:11月下旬~1月頃 |
紅はるかの甘さは紅まさりの約4倍であり、とにかく甘いさつまいもが良いなら紅はるかを選びましょう。
食感の違いから、紅はるかの方が水分量は多いと言えます。
100g当たりのカロリーは紅まさりの方が低く、ダイエット中に甘い物が食べたくなったときは紅まさりもおススメです。
旬の時期を比べてみると、紅はるかの旬が終わった頃に紅まさりは旬を迎えます。
甘くてしっとり・ねっとりの紅はるかを楽しんでから、上品な甘さでしっとり系の紅まさりを味わえますね。
ちなみに余談ですが、紅まさりを親に持つシルクスイートは、紅まさりと春こがねの交配によって誕生しました。
紅はるかも春こがねを親に持っており、紅まさりと紅はるかは親戚のような関係にあります。
紅まさりと紅はるかが糖度は違うのにどこか似ていると言われる理由は、親戚関係にあるのかもしれませんね。
まとめ
紅まさりは上品な甘さと、舌触りの良い食感が特徴的です。
形が揃いやすいことから栽培側に人気があるのも、大きな特徴です。
一般的なさつまいもは秋に旬がやってきますが、紅まさりは1月頃から3月頃が一番美味しくなります。
他のさつまいもを一通り食べた後に、紅まさりが旬を迎え、貯蔵性にも優れていることから、紅まさりがあればさつまいもを長く楽しめそうですね。
紅まさりは他のさつまいもと同様に、焼き芋や干し芋にも向いていますが、焼酎にもよく使われ、幅広い用途が魅力でもあります。
紅まさりを使って、定番の料理だけではなく、あらゆる料理に挑戦してみてくださいね。
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