紅はるかの特徴や旬の時期!食感はねっとりし甘さは?

昨今、色々な品種が出回っているさつまいも。

「紅はるか」または「べにはるか」という品種名を見たことがある方も多いと思います。

最近特に増えてきている「紅はるか」。

特徴や旬の時期が気になりますよね。

「紅はるか(べにはるか)」は2010年に品種登録された新しいさつまいもの一品種で、多品種よりはるかに優れた特性をもつさつまいもとして注目を集めています。

甘く、貯蔵することによりさらにおいしくなること、見た目がいいなどの特徴があります。

今回は、紅はるかの特徴や、おいしく食べられる旬の時期、紅はるかの生産が盛んな産地、ライバル品種紅あずまとの違いなどをご紹介します。

気になるカロリーや、糖度といった栄養面のこと、おいしい食べ方なども解説しますので、紅はるかを使ってお料理するときの参考にしてくださいね。

紅はるかの特徴

紅はるかは、糖度が高く、ねっとりと甘い食感が大きな特徴です。

皮の色も鮮やかな赤紫色で、外観がいいさつまいもです。

紅はるかは、外観の整った品種と、皮の色がよく食味に優れた品種をかけ合わせて生まれ、2010年に品種登録された比較的新しい品種です。

「紅はるか」という表記が広く親しまれているので、この記事でも「紅はるか」と表記しますが、登録されている正式な表記はひらがなで「べにはるか」です。

それまでにあったさつまいもよりもはるかに優れている、という意味で「紅はるか」と名づけられました。

「なると金時」や「ベニサツマ」などが含まれる人気品種「高系14号」よりもべにはるかの方が糖度が高く、栽培時に病害虫にも強いとされます。

食味に優れること、見た目もよいことなどから、すでに注目を集めていますが、今後もさつまいものトップ選手としての人気が出ると考えられます。

読み方・別名 べにはるか
旬の時期 10月~11月ごろ収穫、11月~1月ごろ食べ頃
産地 茨城県、千葉県、鹿児島県など
食べ方 焼き芋、蒸し芋、切り干し芋などがお勧め
食感の種類 ねっとり

紅はるかの味や食感

紅はるかはるかは上品な甘さのさつまいもです。

掘ったばかりのべにはるかはやや粉質なのですが、保存している間に粘り気や甘みが増していきます。

なめらかな食感で、そのまま食べてももちろんおいしいのですが、ペースト状にしてお菓子にするのにもむいています。

紅はるかはるかの糖度・甘さ

紅はるかの甘みに大きくかかわっているのは、豊富に含まれる麦芽糖です。

口に入れた時に、強い甘みを感じるのに、後味は甘ったるくなく、さっぱりとしています。

紅はるかは、加熱すると糖度が40~50度くらいと高く、なかには糖度が60度にも達するものもあると言われる、非常に甘みの強いさつまいもです。

紅はるかの産地

紅はるかの都道府県別作付面積をくらべると、茨城県で最も多く作付されています。

2017年 紅はるか 都道府県別作付面積ランキング

  • 第1位 茨城県
  • 第2位 千葉県
  • 第3位 鹿児島県
  • 第4位 熊本県
  • 第5位 大分県

紅はるかは、関東と九州で多く作付けされていますが、東北地方や中部地方でも生産されています。

農林水産省の統計によると、紅はるかの作付シェアは2013年の初登場では6.3%。2015年には10%をこえ、2017年には13.1%に達しました。

2017年(平成29年)産さつまいもの品種別の作付シェアをランキングすると、紅はるかは第3位に位置しています。

2017年 さつまいも品種別作付シェアランキング

  • 第1位 コガネセンガン
  • 第2位 紅あずま
  • 第3位 高系14号(なると金時、宮崎紅、紅さつまなど含む)

食べておいしい上に、害虫に強く、貯蔵性に優れているので、紅はるかの生産は今後も増えていきそうですね。

参考
生産>甘味資源作物、いも類、蚕糸、茶等の地域特産物>いも類のページ>いも・でん粉に関する資料>令和元年度いも・でん粉に関する資料>かんしょ品種の普及状況

紅はるかは、各地でブランド化もされています。

かのや紅はるか かのや紅はるかpremium (鹿児島県鹿屋市)

参考:鹿屋市役所 令和2年産「かのや紅はるか」認証事業者の決定

甘太くん (大分県)

参考:大分県農林水産部おおいたブランド推進課

葵はるか (宮崎県串間市「くしまあおいファーム」)

参考:くしまあおいファーム

紅天使 (茨城県かすみがうら市「株式会社ポテトかいつか」)

参考:ポテトかいつか

紅優甘 (茨城県「JAなめがたしおさい」)

参考:一般社団法人茨城県観光物産協会 観光いばらき

紅はるかの見た目や中身の色

紅はるかは、紡錘形の均整の取れたさつまいもらしい形をしていて、皮の色も鮮やかな赤紫色で、整った外見のさつまいもです。

中身は、白みの掛かった黄色で、皮の赤紫色との対比も鮮やかです。

紅はるかのカロリー

紅はるかは糖度が高いので、一般的なさつまいもよりはカロリーが高くなります。

一般的なさつまいもの焼き芋 紅はるかの焼き芋
100g当たりのカロリー 130~140kcal 約160kcal

紅はるかの栄養

さつまいもの栄養

  • ビタミンC…でんぷんに守られているので熱に強い
  • カリウム…体内の塩分バランスを調整するはたらき
  • ヤラピン…さつまいもの切り口の白い汁。整腸作用がある
  • 食物繊維…整腸作用がある。

紅はるかは、一般的なさつまいもの栄養を全て備えています。

さらに、紅はるかならではの栄養面での特徴をまとめました。

紅はるかの栄養

  • 麦芽糖が多い…すっきりとした上品な甘さ
  • 食物繊維が多い…整腸作用の効果が期待大
  • ヤラピンが多い…整腸作用の効果の期待大。

紅はるかの切り口の白い汁や、表皮についた黒いベタベタの正体は?

芋の切り口や表皮のキズからからにじむ白い汁の正体は、ヤラピンという成分です。

この汁は、固まると黒っぽくなります。

いもの表面に黒っぽいベタベタがついていたら、いもを収穫するときの切り口からヤラピンがにじんで固まったものだと考えられます。

紅はるかは、ヤラピンの多いさつまいもです。

見た目はあまりよくなく、黒くべたついていると、食べても大丈夫?と思うかもしれませんね。

実際、開発研究に関わる機関では、ヤラピンが切り口に多くにじむと外観が劣るとしています。

しかし、白い汁状のヤラピンも、黒くなったヤラピンも口にしても全く問題ありません。

ヤラピンは糖脂質の成分の一種で、食物繊維とともに腸の動きをよくして、便を柔らかくするはたらきがあります。

参考:農研機構「さつまいも「べにはるか」の地上部除去時期がヤラピンの発生に及ぼす影響」

紅はるかの旬の時期

紅はるかの収穫は、温暖な九州地方では10月ごろから収穫が始まり、本州の関東地方では11月初めころから収穫が始まります。

一般にさつまいもは、収穫直後より貯蔵しておいた方が甘くなると言われます。

紅はるかは収穫したばかりのものでも、「なると金時」などの高系14号というさつまいもよりは甘いとされます。

でも紅はるかも、1~2か月貯蔵して寝かせておいた方が、食感はよりよく甘みはよく強くなります。

おいしい紅はるかが食べられるのは、収穫時期から少しずれた、11月~1月ごろであるといえます。

紅はるかの食べ方

紅はるかは、じっくり加熱することで甘みとうま味が存分に引き出されるさつまいもです。

  • 焼き芋
  • ふかし芋
  • 天ぷら
  • ペーストにしてお菓子に加工
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紅はるかと紅あずまの違い

紅あずまは、関東中心に広く栽培されていて長年親しまれているさつまいもです。

紅あずまと紅はるかをくらべてみました。

紅あずま 紅はるか
歴史 1985年品種登録
長年親しまれている人気品種
2010年品種登録
平成の後期に登場した期待の新星
赤紫の皮 中身は黄色 赤紫の皮 中身は白みの掛かった黄色
甘さ 甘い とても甘い
食感 ほくほく ねっとり

ホクホクの紅あずまの焼き芋は、お茶といっしょにいただきたくなりますが、紅はるかの焼き芋はしっとりしているので焼き芋だけでものどを通っていきますよ。

まとめ

さつまいものニューカマー、紅はるか。

さつまいもは、関東は紅あずま、関西は高系14号(なると金時、宮崎紅、ベニサツマなど)が多く作られていましたが、近年では、甘くてねっとりした食感に人気が集まって、北関東や九州中心に紅はるかの生産も増えてきています。

甘いのに、後味がすっきりした上品な甘さ、見た目の良さ、貯蔵性の良さなど、既存のさつまいもを”はるか”にこえることから名付けられた紅はるか。

ホクホクした食感が特徴の紅あずまとはまた違ったねっとりとした濃厚なおいしさを持ち、焼き芋や蒸し芋、てんぷらなど、じっくり加熱することで甘みを存分に引き出すことができます。

旬の秋から冬にかけては、いろいろな品種のさつまいもが店頭に並びます。

ねっとり甘い紅はるかもぜひ食べてみてくださいね。

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