さつま芋の種類である紅あずまの産地は茨城県や千葉県で、関東で人気の品種です。
さつま芋は品種によって食感や糖度などの特徴が違います。
紅あずまの特徴や旬の時期を分かりやすく解説していきます。
カロリーや栄養素についても合わせてお話していきましょう。
紅あずまを美味しく食べるためにはどう調理するのが良いのか、参考にしてみてください。
Contents
紅あずまの特徴
紅あずまは関東85号とコガネセンガンを交配させて出来た品種で、千葉県や茨城県で主に栽培されている品種です。
2016年の紅あずまの作付け面積は全国で約6800ヘクタールで、食用さつま芋の品種別のシェアでは最も多く栽培されています。
読み方・別名 | べにあずま |
旬の時期 | 9月上旬~11月中旬 |
産地 | 茨城県、千葉県 |
食べ方 | 焼き芋 |
食感の種類 | しっとり |
茨城県と千葉県の2県で、紅あずま生産量の約8割を占めています。
紅あずまの味や食感
紅あずまの食感は、焼き芋にするとホクホクとねっとりの中間の食感です。
しっとりした食感と言えるでしょう。
繊維質が少ないのも特徴です。
9月中旬ころから出回り始めますが、この頃は甘さはさほど強くはなく、食感もホクホク感が強いです。
2か月ほどおくことで甘さも増して、ホクホクとした粉質の食感からしっとりとした粘質に変わっていきます。
紅あずまの糖度・甘さ
紅あずまは収穫してから2か月ほどおくと甘みが増してきます。
出回り始めの9月中旬頃のものは甘味が少ないため天ぷらや煮物などの料理に適しています。
10月頃から最盛期を迎え、11月頃から出回るものが甘味が増して、焼き芋や蒸し芋など自然な甘さで楽しめます。
生のときの糖度は約14度で、一般的なりんごと同じくらいの甘さです。
十分甘いですが、加熱したときの糖度はなんと約30度。
バナナの糖度が21度なので、どれだけ甘いのか想像できるでしょう。
焼き芋としてはもちろん、スイートポテトにしても美味しく食べられます。
紅あずまの産地
西日本では高系14号というさつま芋の品種が人気で、「西の高系14号、東の紅あずま」と言われるほど、関東では人気の品種が紅あずまです。
さつま芋の産地といえば鹿児島県ですが、紅あずまの主な産地は関東が占めています。
【紅あずまの生産地ランキング】
順位 | 都道府県 |
1位 | 茨城県 |
2位 | 千葉県 |
3位 | 鹿児島県 |
上位2県で、紅あずまの栽培の約8割を占めています。
さつま芋の品種別の作付け面積で、紅あずまは全体の19%を占めており、2番目に多く栽培されている品種となります。
ちなみに、作付け面積シェアが21%で1番多く栽培されている品種はコガネセンガンという品種で、焼酎作りに使われる品種です。
焼酎用のコガネセンガンと、関東85号という品種を掛け合わせて出来たのが紅あずまです。
紅あずま生産地ナンバー1の茨城県は干しイモの名産地でもあります。
上品な甘さの紅あずまは干しイモにしても美味しく食べられるでしょう。
紅あずまの見た目や中身の色
皮の色は紫がかった濃い赤色で、中身は薄い黄色をしています。
加熱することで中の黄色が濃くなり、より美味しそうな見た目になるので食欲がそそられます。
色が綺麗で形が整いやすい関東85号と、大きく育つコガネセンガンの交配種である紅あずまは、それぞれの良い所を受け継いでいます。
紅あずまを選ぶ時は、皮にハリがあって色が均一、重量感があるものを選びましょう。
平均的な大きさは約250~500gほどですが、大きなものは700gにもなります。
表面にひげ根が多いものは繊維が多いと言われているため、口当たりの良いものを求めるなら、ひげ根がなるべく少ないものがオススメです。
紅あずまのカロリー
普通のさつま芋のカロリーは100g当たり約130Kcalで、紅あずまのカロリーも100g当たり130Kcalです。
甘みがあるのでカロリーが高めと思われがちですが、変わらないんですね。
ご飯100gのカロリーが約150Kcalなので、それより少し低いということになります。
ねっとり系さつま芋の代表である安納芋100gのカロリーが142Kcalで、ご飯とほぼ同じくらいです。
さつま芋は加熱すると水分が飛ばされる分カロリーが高くなります。
生の紅あずま100gのカロリーは130Kcalほどですが、焼き芋にすると約160Kcalとなります。
ご飯100g150Kcalより少し高くなりますね。
腹持ちが良いので、ダイエット中のおやつにオススメです。
収穫直後の紅あずまは甘みが少ないため、天ぷらなど料理に適しています。
しかし、カロリーに関していえば、油で揚げるてんぷらは高カロリーになってしまいます。
上品な甘さの紅あずまはスイーツにも、天ぷらや煮物などの料理にも幅広く使用されますが、砂糖や油などで手を加えれば当然カロリーは高くなります。
カロリーを抑えて紅あずまの美味しさを味わいたいときは焼き芋か蒸し芋にすることをお勧めします。
収穫後しばらく経った紅あずまは甘さが増していて、簡単な加熱だけで砂糖なしでも十分美味しく食べられますよ。
紅あずまの栄養
さつま芋の栄養といえば真っ先に思いつくのは食物繊維でしょう。
紅あずまは繊維質が少ないのが特徴です。
スジっぽいというような、見た目で分かる繊維が少ないため、口当たりの良さにもつながっています。
しかし、紅あずまにも、他のさつま芋に期待できるお通じの改善の効果がないのではありません。
さつま芋にはヤラピンという成分が含まれています。
さつま芋を切ったときに、包丁に白い汁が付いてきますよね。あれがヤラピンです。
ヤラピンは昔から便秘に効く薬として知られており、食物繊維との相乗効果でよりお通じの改善に効果が期待できるのです。
繊維質は少ない紅あずまですが、ヤラピンの含有量は他のさつま芋と同じくらいですので、便秘解消に効果があると言えるでしょう。
紅あずまの旬の時期
紅あずまの収穫は9月中旬ころから始まります。
10月中旬に最盛期を迎え、11月中旬頃まで続きます。
収穫してすぐのころは甘みが少ないですが、2か月ほどおくと甘みが増してきます。
さつま芋のデンプンが糖に分解されるからで、紅あずまの甘みが増して美味しくなるのは12月~2月頃となります。
紅あずまは保存性はあまり良くないので、美味しい時期である2月を過ぎるとほとんど市場に出回らなくなります。
市場に出回り始めたばかりの紅あずまが手に入ったら、新聞紙にくるんで冷暗所で保存しておきましょう。
2か月待たずとも、10日ほどおくだけでも甘さが増してより美味しく食べられますよ。
紅あずまの食べ方
収穫直後で甘みが少ない紅あずまと、収穫後しばらく経って甘みが増した紅あずまとで、それぞれ向いている食べ方があります。
収穫直後の紅あずまのオススメの食べ方
- 天ぷら
- 大学芋
- スイートポテト
- 蜜煮
甘みが少ないので、砂糖を加えて作るスイーツにオススメです。
また、加熱することで甘みが引き出されるので、天ぷらにすると程よい甘さが味わえるでしょう。
収穫後しばらく経った紅あずまのオススメの食べ方
- 焼き芋
- 蒸し芋
- サラダ
- さつま芋のポタージュ
紅あずま本来の甘さを存分に楽しむなら砂糖などは加えずにシンプルな食べ方が1番です。
サラダやポタージュは甘みが少なくても美味しくなります。
両方で作ってみて、食べ比べるのも良いですね。
紅あずまは関東で人気のさつま芋の品種で、最も多く栽培されてる食用さつま芋です。
さつま芋にはたくさの品種があり、人気のブランドさつま芋も多くありますが、紅あずまの焼き芋はホクホク、しっとしりとして、昔ながらの美味しさが味わえます。
腹持ちが良く食物繊維も豊富なさつま芋はダイエット中のおやつとしてもオススメできます。
おやつだけでなく、料理にも取り入れて美味しい紅あずまを味わってください。
お気に入りの食べ方が見つかったら、他のさつま芋の品種と比べてみるのも、新しい発見があるかもしれません。
ぜひ、試してみてください。
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