にんじんは定番野菜の1つですが、食べ方によって栄養に差はあるのか気になります。
生で食べると歯ごたえがよく、たくさん噛んで食べることになり満足感が得られます。
加熱してたべると、にんじんの持つ熱に強い栄養素の吸収率が上がります。
すりおろすと噛む力の弱い方でも無理なく食べることができますし、皮ごと食べることで栄養を逃がすことなく体に取り入れることができるのです。
にんじんの色々な食べ方や簡単で栄養たっぷりのレシピをご紹介します。
にんじんは、和、洋、中問わずいろいろな味付けで食べることができますし、食べ方によって様々な表情があるのもにんじんの魅力。
にんじんの栄養の特徴をよく知って、無駄なく賢く簡単ににんじんの栄養をとりつくしてくださいね。
Contents
にんじんの食べ方 生
にんじんはカロテンやカリウムをはじめとしたビタミン類、ミネラル類が豊富な野菜です。
にんじんは歯ごたえのいい野菜なので、必然的によく噛むことになります。
にんじんをよく噛むことで満腹中枢が刺激され、少量でも満足感が得やすいと言われています。
しっかり噛むことで唾液の分泌もうながされて消化も助けてくれます。
生のニンジンに含まれる酵素が、切ったりすりおろしたりして細胞が破壊されると活性化して、ニンジンに含まれるビタミンCを破壊してしまうと言われることがあります。
しかし、これは本当は少し違います。
にんじんに含まれるアスコルビン酸酸化酵素は、還元型のビタミンCを酸化型に変えてしまうはたらきがありますが、還元型、酸化型、どちらのビタミンCも同じように効力を発揮するということです。
このことは、「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」にも書かれています。
食品中のビタミンCは、L-アスコルビン酸(還元型)とL-デヒドロアスコルビ ン酸(酸化型)として存在する。その効力値については、科学技術庁資源調査会からの 問合せに対する日本ビタミン学会ビタミンC研究委員会の見解(昭和51年2月)に基づき 同等とみなされるので、成分値は両者の合計で示した。
引用元文部科学省 日本食品標準成分表2015年版
ものすごく簡単に言えば、にんじんを切ったりすりおろしたりしても、ビタミンCの効き目が失われることはないので安心してよい、ということですね。
柚子の香りの紅白なます
材料
- にんじん 150g
- 大根 300g
- 塩 9g
- お酢 大さじ1
- 柚子果汁 大さじ2
- 砂糖 大さじ2
- にんじんと大根を千切りにする。大根は、葉に近い方が甘くて生で食べやすい。
- 千切りのニンジンと大根をビニール袋に入れ、塩を入れて、水気が出るまでおく。
- お酢、柚子果汁、砂糖は混ぜ合わせておく。
- ニンジンと大根を袋から取り出して水気を絞って、袋に戻す。
- お酢と柚子果汁と砂糖の混ぜ合わせたものをニンジンと大根の袋に入れて、なじませる。
- 冷蔵庫で数時間寝かせる。
にんじんとツナのサラダ
材料
- にんじん 250g
- 塩 4g
- オイル漬けツナ 1缶
- にんにく 1/2かけ
- マヨネーズ 大さじ3
- レモン汁大さじ1
- ごま 適量
- にんじんは千切りにし、レモン汁、塩を混ぜて水気が出るまで置く。
- にんじんの水気を絞り、ツナを加える。ツナのオイルや水分は切らなくてもよいが、にんじんの状態で水っぽくなりそうなら、少ししぼる。
- にんにくとマヨネーズを加えて混ぜる。
- お皿に盛り付けてゴマをふる。
ツナやマヨネーズといった油脂分とにんじんを合わせることで、βカロテンの体への吸収をアップさせることができます。
にんじんの食べ方 すりおろし
やわらかいものの方が食べやすい小さなお子さんや高齢者の方は、にんじんを皮ごとすりおろすことで、より食べやすくなります。
すりおろしにんじんの炊き込みごはん
- 材料
- 米 2合
- にんじん 200g
- 水 適量
- 塩 少々
- バターか、ごま油 お好みで
- 米を研いで、ざるにあげる。
- にんじんはかわごとすりおろす。
- 炊飯器の内釜に、米、にんじん、塩をいれ、2合の水かげんのラインまで水を入れる。
- 炊飯ボタンを押して炊く。
- 炊きあがったらそのまま食べてもいいが、炊き立てに好みでバターを混ぜ込んだり、ごま油を混ぜ込んだりしてもおいしい。
にんじんスムージー
材料
- にんじん 1/2本
- りんご 1/2個
- バナナ 1本
- ヨーグルト 100g
- レモン汁 適量
- レモン汁を除く材料をすべてミキサーにかけてなめらかになるまで粉砕する。
- ドロッとしすぎなら、水で濃度を調整する。
- レモン汁で味を整える。
にんじんパンケーキ
材料
- パンケーキミックス 200g
- にんじん 1/2本
- ヨーグルト 適量
- にんじんをすりおろす。
- パンケーキミックスに、にんじんを汁ごと入れる。汁気の少ないにんじんの場合は、いっしょにヨーグルトを大さじ2杯ほどいれる。
- 粉とにんじんを混ぜ合わせ、ヨーグルトを適宜加えながら濃度調整する。少ない水分で練ってしまうと粘りが出て生地がなめらかにならないので、気を付ける。
- 熱したフライパンに生地を流し、両面焼く。
にんじんの食べ方 皮ごと
にんじんは皮や皮のすぐ下に食物繊維やβカロテンといった栄養素がぎっしりつまっています。
にんじんは皮をむかずに丸ごと食べることで栄養を無駄なく取り入れることができます。
蒸しにんじんとソース2種
蒸しにんじんの材料
- にんじん 好きなだけ
- にんじんは皮をむかずに大きければ縦半分から1/4にカットする。小さいもの、細いものは丸ごと蒸すのもお勧め。
- 蒸気の上がった蒸し器で柔らかくなるまで蒸す。
ごまマヨネーズソースの材料(作りやすい量)
- ねりごま 大さじ1
- マヨネーズ 大さじ1
- 麺つゆ 小さじ1
- すりごま 適量
スパイスナッツソースの材料
- アーモンドパウダー 大さじ2
- オリーブオイル 大さじ1.5
- すりおろしにんにく 1かけぶん
- クミンパウダー 小さじ⅔
- レモン汁 小さじ1
- それぞれ材料を混ぜ合わせる。
にんじんは蒸すと甘みやうまみが感じられ、おいしく食べることができます。
どんな味付けにも対応可能なストライクゾーンの広いところもにんじんの魅力。
ソースレシピは、油脂分が入って蒸しにんじんに絡みやすいものをご紹介しました。
これら以外にも、オリーブオイル+クレイジーソルト、ごま油+塩、塩糀など、シンプルに食べるのもにんじんの味をしっかり感じられておすすめです。
にんじんは色も形も色々あっておもしろいので、色違いのにんじんをそろえ、ソースも何種類か用意して、蒸しにんじんにしてみるのもいいですね。
丸ごとまたは大ぶりにカットすることで、見た目もダイナミックで食卓がにぎわいます。
にんじんの食べ方 加熱
にんじんの栄養素の代表格は、にんじんの鮮やかな色を作り出している色素でもあるβカロテンです。
βカロテンは、抗酸化作用が強くアンチエイジングに効果があるとされます。
また、粘膜の状態を良好に保ち、免疫力アップの効果も期待できます。
にんじんのβカロテンは、加熱して、油脂分といっしょに摂取することで体への吸収率が上がるとされています。
にんじんを油を使って加熱調理しておいしく食べるレシピをご紹介します。
にんじんのきんぴら
材料
- にんじん 200g
- ごま油 大さじ1.5
- 酒 大さじ1
- 砂糖 大さじ1
- 醤油 大さじ1.5
- いりごま 適量
- にんじんは皮をむかずに千切りにする。
- 鍋にごま油を温め、にんじんを投入し、炒め始める。
- 全体に油が回ったところで、砂糖と酒を加えて炒め合わせる。
- ややしんなりしてきたら、醤油を加えて汁気が飛ぶまで炒め煮にする。
- 盛り付けてごまをふる。
にんじんだけでなく、ごぼうを混ぜてもおいしいです。
ごぼうも皮をむかず、水にさらさず使う方が栄養を無駄なく摂取できます。
にんじんのグラッセ
材料
- にんじん 200g
- 水 カップ¾
- バター 大さじ1
- 砂糖 小さじ1
- しお 少々
- にんじんは皮ごと1cmくらいの厚さにカットする。
- 鍋ににんじんと水を入れ、ふたをして加熱。
- 水が沸騰してきたら(水分が少量なのですぐ。)砂糖を入れて混ぜ合わせる。
- 砂糖がとけてなじんできたら、バターを入れて、ふたをしてにんじんが柔らかくなるまで弱火で蒸し煮にする。
- にんじんが柔らかくなっても水分が残っているようなら、ふたを外して火力を強め、水分を飛ばす。
- 塩をふって混ぜ合わせて完成。
少ない水分で蒸し煮にすることで、カリウムなどの水溶性の栄養素が流失することを防ぎます。
バターと合わせるとβカロテンは吸収率が上がります。
にんじんの食べ方で栄養が一番残るのは?
にんじんに含まれる栄養素で、突出して高いのは、βカロテンとカリウムです。
βカロテンは高い抗酸化力を持ち、粘膜を丈夫にしたり、免疫を高めるはたらきがあるとされる栄養素です。
カリウムは、体内の塩分濃度を調整するはたらきがあり、体内の過剰な塩分を排泄したり、高血圧にも効果があるとされる栄養素です。
このβカロテンとカリウムをできるだけ損失なく摂取する食べ方は、皮をむかずに、ゆでる、水にさらすことをさけ、油脂分を使って加熱して食べることです。
βカロテンもカリウムも、皮や皮の近くに多いので、皮をむかないことでカロテンをしっかりとることができます。
皮は食物繊維のかたまりでもありますから、皮をむかずに食べることで、βカロテンも食物繊維ももれなくとることができますね。
そして、油脂分を使って加熱することで、βカロテンはより効率よく体に吸収されるようになります。
また、カリウムは、水にさらしたり、ゆでることで水に溶けだしてしまいますので、水に触れないような調理法でカリウムの流失を防ぐことができます。
にんじんは、皮ごと使って油でいためる、蒸して油脂分を含む調味料で味付けをして食べるなどの調理法で栄養を最も効率よくとることができるのです。
まとめ
にんじんに特に豊富なβカロテンは、加熱して油脂分とともに調理するのが最も効率よく栄養をとる食べ方であるといえます。
とはいえ、にんじんらしい歯ごたえや香りが楽しめる生で食べる方法も捨てがたいですし、すりおろすと食べやすくなるだけでなく、他の食材とよくなじむのでレシピの幅が大きく広がります。
色合いもきれいで、色々な食べ方、味付けに対応し、懐の深いにんじん。
ぜひにんじんを使いこなして、豊かな食卓を作り出してくださいね。
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