ごぼうを食べ過ぎてしまい、腹痛を感じたり、おならが出たり、便秘になった経験のある方がいらっしゃるのではないでしょうか。
ごぼうは食物繊維が多くて腸に良いと言われているので、つい食べ過ぎてしまうかもしれません。
腸のために沢山食べて、その結果お腹を壊してしまったら残念ですよね。
もし食べ過ぎてしまったときでも、対処法を知っていれば安心です。
また、一日の適量を守って摂取することで、ごぼうの持っている便秘予防などの効能をうまく引き出すことができます。
ごぼう自体は体内を掃除してくれる優秀な食品なので、食べ過ぎに気を付けて、きれいな腸を手に入れましょう。
ごぼうを食べ過ぎるとどうなる?
ごぼうには水分を吸収して、腸の運動を活発にする食物繊維が多く含まれています。
不溶性食物繊維のリグニン、水溶性食物繊維のイヌリンがほぼ同量ずつ含まれていますが、適量を超えて摂取してしまうと腹痛やおなら、便秘などの症状を引き起こしてしまいます。
腹痛
ごぼうを食べ過ぎて腹痛になるのは、発生したガスがお腹に溜まってしまうことが原因です。
小腸には繊維分を分解する酵素がないため、食物繊維はそのまま大腸へ送られます。
大量に食物繊維を食べると大腸の中の腸内細菌の働きが活発になり、処理しきれない食物繊維が急激に増えて発酵するため、腸内にガスがたまってしまいます。
ガスがたまると、お腹が張る、痛む、おならが出やすくなります。
日本人は、長年の野菜中心の食生活から大腸が長く、ガスがたまりやすい腸を持っているので特に注意が必要です。
ごぼうは適量を食べるようにし、できてしまったガスはうつぶせ寝をすることで下に降りやすくなるので、楽に排出しましょう。
おなら
不溶性食物繊維の多いごぼうを食べ過ぎると、腸内ガスを発生させ、おならになります。
おならが出ると恥ずかしかったり不快感はありますが、ごぼうが原因のおならは健康の証であり、においもしないためそれほど気にする必要はありません。
腸内には1000兆個以上の細菌が住んでおり、腸内の健康を維持する「善玉菌」と、腐敗物を貯めようとする「悪玉菌」がいます。
ごぼうを食べて出るガスの成分は善玉菌によるもので、二酸化炭素や水素・メタンという物質でできています。
臭いおならは悪玉菌によるもので、肉類やきついにおいの食品の食べ過ぎ、または便秘などで腸内細菌のバランスが崩れたことが原因で発生する、硫化水素やアンモニアといった臭い成分でできています。
ごぼうの食物繊維は、悪玉菌を体の外へ排泄する働きがあります。
臭いおならを予防することができるので、適量を積極的にとりたいですね。
便秘
ごぼうを食べ過ぎた時に腸内に水分が少ないと、便秘になってしまうことがあります。
食物繊維には不溶性と水溶性がありますが、ごぼうには不溶性食物繊維のほうが多く含まれています。
この水に溶けにくい食物繊維が腸の中に入ると、周りの水分を吸収します。
腸内に水分がたくさんある状態では腸内の水分を吸収して便のカサを増やし、腸の蠕動運動を活発にしてくれます。
しかし腸の中に水分が少ない状態だと、腸の環境を保つための水分まで便に奪われてしまいます。
すると、便がカチカチになり、腸の滑りも悪くなるので便秘になってしまいます。
便秘を予防するためには水分をたっぷりとることが重要です。
ごぼうを食べ過ぎた後の対処法
ごぼうに含まれる不溶性食物繊維が大量に腸に入ると、水分を吸収して便秘になってしまいます。
食べ過ぎた場合は水分をたっぷりと多めにとり、便秘を予防しましょう。
また、ごぼうを食べ過ぎた後の食事では食物繊維を控え、腸への負担を少なくしましょう。
ごぼうの一日の適量
食物繊維の摂り過ぎを防ぐために一日1本程度(約180g)が適量です。
ごぼうを用いる料理で一般的な、「きんぴらごぼう」に含まれるごぼうの量は1食約30gほどなので、一日3食召し上がっていても1本分(180g)を超えることはありません。
ごぼう1本(180g)に含まれる食物繊維
総食物繊維量 | 水溶性食物繊維 | 不溶性食物繊維 |
10.3g | 4.1g | 6.1g |
食物繊維は排便をスムーズにしたり、生活習慣病や大腸がんを予防する効果があるとみられています。
一日の目標量は成人の男性で20g、女性で18gと定められていますが、日本人の平均摂取量は男女どちらも足りておらず、不足しがちな栄養素です。
水溶性と不溶性の食物繊維の理想的な割合は1:2ですが、ごぼうは不溶性食物繊維が多く含まれているので、水溶性食物繊維を多く含む海藻類やこんにゃくを一緒に食べるようにするとバランスが良くなります。
積極的に食べたいごぼうですが、ごぼうにはにんじんの約2倍の量の食物繊維が含まれています。
食べ過ぎると食物繊維が腸を刺激してしまい、腹痛、下痢、便秘などの症状が出る可能性があります。
食物繊維の食べ過ぎを防ぐために、一日1本を超えないように気を付けましょう。
また、普段からお腹を壊しやすい人は過敏性腸症候群の疑いがあるので、ごぼうは控えたほうが良いです。
過敏性腸症候群とは
検査を行っても目に見える異常がないにもかかわらず、下痢、腹痛、腹部膨満感、ガス、便秘などの症状に悩まされる病気です。
人口の10%程度の人が症状を抱え、特に女性に多いという報告がされています。
過敏性腸症候群の方のおなかの不調の原因として、FODMAP(フォドマップ)という糖質があります。
FODMAPとは腸内で発酵しやすい4種類の糖類(オリゴ糖、二糖類、単糖類、ポリオール(糖アルコール)の頭文字をつなげて作られた名称のことです。
ごぼうに含まれる糖分のオリゴ糖はFODMAPに該当します。
食物繊維も多く含まれるため、過敏性腸症候群の方はごぼうを控えるか、最小限の量を食べるようにしましょう。
まとめ
ごぼうを食べ過ぎて腹痛や便秘になってしまう原因は食物繊維にある事がわかりました。
ごぼうの食物繊維は、適量食べると便秘や肥満の改善、大腸がんの予防に役に立つので、食べ過ぎに注意して、健康な体を手に入れましょう。
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