イモ類の中でカロリーが低い里芋は、食物繊維も豊富で、身体に嬉しい野菜です。
秋になり里芋が出回ると、粘りのある何とも言えない食感が美味しく、ついつい食べ過ぎてしまいますよね。
里芋の食べ過ぎは、下痢をするなど、身体に悪い影響が出る場合もあり、注意が必要です。
特に、妊婦や赤ちゃんは、里芋の食べ過ぎによって、危険にさらされる可能性もあります。
今回は、里芋を食べ過ぎることの影響と、妊婦さんや赤ちゃんに危険な理由、食べ過ぎとされる量について解説します。
里芋を食べる際のポイントをしっかり押さえて、身体に嬉しい里芋を上手に摂取しましょう。
Contents
里芋を食べ過ぎると下痢する?
里芋を食べ過ぎることによる影響として、下痢をする場合があります。
里芋に含まれる成分が原因です。
里芋の食べ過ぎが下痢を招くのはなぜ?
里芋を食べ過ぎて下痢をしてしまうのは、シュウ酸によるものです。
シュウ酸は、里芋を触ったときに手がかゆくなることに関係している成分です。
シュウ酸は里芋をゆでる中で、外に流れ出ますが、完全には排出されずに残ります。
残ったシュウ酸は、里芋を少量食べただけでは身体に影響はありません。
しかし、大量に里芋を食べると、シュウ酸が体内に蓄積され、腹痛や下痢の原因になってしまうのです。
ちなみに、シュウ酸は食べたときに感じるエグミの成分でもあります。
妊婦や赤ちゃんは里芋を食べ過ぎると危険?
里芋は栄養が豊富で、妊婦や赤ちゃんに嬉しい野菜です。
しかし、里芋の食べ過ぎは、身体に負担になってしまいます。
妊婦の場合
里芋は免疫力アップや、むくみ解消の効果があり、妊婦に嬉しい野菜です。
味も優しいため、ついつい食べ過ぎてしまうことで、体重の増加につながる可能性があります。
また、食べ過ぎによる腹痛も、妊婦には危険です。
さらに、里芋に含まれるシュウ酸は、カルシウムと結び付いて、カルシウムを排出し、体内のカルシウムが不足してしまいます。
赤ちゃんの場合
里芋はアレルギーを引き起こしやすい食材の一つです。
里芋に含まれるアレチルコリンという成分が、赤ちゃんのアレルギーの原因になることがあります。
アレルギーになると、
- 口、口の周りのかぶれ
- 痛みを感じる
- 発疹が出る
- 目が腫れる
といった症状が見られます。
また、赤ちゃんも、里芋を食べ過ぎると、下痢をしやすくなります。
赤ちゃんの離乳食にするときのポイント
里芋は、離乳食中期(生後7~8ヶ月頃)から赤ちゃんに与えることができます。
早いうちから与えると、口や口の周りがかぶれてしまうことがあります。
里芋は、でんぷん質が多いので、赤ちゃんの便秘改善のためにも、離乳食におススメです。
しっかり洗う
里芋の土はよく洗い流し、皮もしっかり剥きましょう。
柔らかくなるまで火を通す
噛めるようになってからも、柔らかくなるまでゆでたり、煮たりしてください。
ただし、ゆでたり、煮たりすると粘りが強くなり、赤ちゃんには食べにくいので、食べさせるときは注意しましょう。
初めて里芋を与えるとき
- 小さじ1を目安にする
- 同日に里芋以外の新しい食材は与えない
以上のことを守るようにしてください。
里芋を食べ過ぎる量はどのくらい?
里芋の食べ過ぎとされる量は、個人差もありますが、腹痛を引き起こす程度です。
適切とされる里芋の量
里芋の1日あたりの摂取量の目安は、140g~200gとされています。
小さめの里芋で、6~8個程度です。
適量はあくまで目安なので、腹痛が起きてしまったときは、どのくらいの量を食べたのかを記録しておくと、自分にとっての適量が分かります。
里芋の食べ過ぎと太る可能性
里芋は、低カロリーな野菜ですが、食べ過ぎると太ってしまうことがあります。
さつまいもや、じゃがいもなどのイモ類は、でんぷん質も多く、太りやすいイメージがあります。
同じイモ類である里芋は、他のイモ類に比べて炭水化物が少なく、水分が多いことから、消化に良いという特徴があります。
そのため、里芋はダイエットにもおススメの食材です。
しかし、消化に良く、ダイエット中でも安心して食べられることから、食べ過ぎてしまい、結果として太る場合があります。
また、里芋自体の味が薄いため、煮物にするときは味付けが濃くなりがちです。
砂糖などが多く使われ、間接的に肥満を招くことも考えられます。
里芋は身体に嬉しい野菜
里芋の食べ過ぎは、身体に悪影響が出てしまうことを解説しました。
でも、適量の里芋は、身体に嬉しい効果がいっぱいありますよ。
- 免疫力や脳機能を高める
里芋のぬめりの元であるガラクタンは、血液をサラサラにし、免疫力を高めます。ガラクタンには、脳細胞を活性化する働きもあり、認知症の予防効果も期待できます。
- むくみを解消してくれる
里芋に含まれるカリウムは、体内の余分な水分を排出してくれます。むくみが気になるときに、里芋を食べると、解消に効果があります。
- 生活習慣病を予防する
里芋の食物繊維は、コレステロールの低下や、血圧の安定にもつながります。動脈硬化や高血圧の予防にも効果を発揮します。 - 便秘を予防・解消する
豊富な食物繊維は、お通じの改善に役立ちます。食べ過ぎると、下痢を引き起こすので、注意が必要です。 - 腸の調子を整える
里芋に含まれるムチンという成分には、整腸作用があります。里芋がお腹にも優しい食材です。
ムチンについて
ムチンについて、株式会社はなもみの代表取締役社長 池田様からご解説くださいました。
「ムチン」は、動物性の成分です。
http://www.wakasanohimitsu.jp/seibun/mucin/日本国内でのみ拡散していた、「植物や発酵食品にムチンが含まれる」とする
誤報の(「学術情報」という意味で)大本になっていた情報が訂正されました。*
食品工業辞典(日本食品工業学会編、昭和54年第1版発行)の用語解説の訂正に
ついて
2020/07/30当学会の前身である日本食品工業学会編の食品工業辞典の「むちん[ムチン] 」の解説について、現在の科学的知見から以下のように訂正させて頂きます。
(訂正前)
動植物より分泌される粘質物一般をいう。
(訂正後)
動物より分泌される粘質物一般をいう。
https://jsfst.smoosy.atlas.jp/ja/notices/71
私も学術的には知らなかったので、とても勉強になりました。
ありがとうございました。
まとめ
里芋はイモ類の中では、低カロリーであることから、多めに食べても大丈夫と考えられやすいです。
でも、消化が良いことで、いくらでも食べられ、気づけば食べ過ぎていることもあります。
里芋の食べ過ぎは、下痢の原因になります。
特に、妊婦や赤ちゃんは、食べ過ぎには注意が必要です。
里芋には身体に嬉しい効果がたくさん詰まっています。
適量を心がけて、身体に良い栄養素を取り込みましょう。
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学術秘書
池田です。
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http://www.wakasanohimitsu.jp/seibun/mucin/
日本国内でのみ拡散していた、「植物や発酵食品にムチンが含まれる」とする
誤報の(「学術情報」という意味で)大本になっていた情報が訂正されました。
*
食品工業辞典(日本食品工業学会編、昭和54年第1版発行)の用語解説の訂正に
ついて
2020/07/30
当学会の前身である日本食品工業学会編の食品工業辞典の「むちん[ムチン]
」の解説について、現在の科学的知見から以下のように訂正させて頂きます。
(訂正前)
動植物より分泌される粘質物一般をいう。
(訂正後)
動物より分泌される粘質物一般をいう。
https://jsfst.smoosy.atlas.jp/ja/notices/71
では。
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株式会社はなもみ(法人番号:3050001008638)
代表取締役社長 池田剛士(携帯:09041347927)
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詳しくご解説くださりありがとうございました!
記事内にも引用させていただきます。