秋の隠れた味覚のあけびは、山のない都会では珍しい果物です。
お庭になっているものを頂いたりすることもありますが、保存方法や食べ方はあまり知られていません。
そこで今回は、あけびの保存方法と保存期間、栄養や保存食レシピを紹介します。
常温や冷蔵以外に、冷凍や干して乾燥させる保存方法もありますよ。
冷凍した果肉は解凍せずそのまま食べることもでき、果皮は干すことで長持ちし保存食にもぴったりです。
食べ頃や美味しいあけびの見分け方も解説しますので、購入時やご自分で収穫される際に参考にしてください。
Contents
あけびの保存の仕方
あけびは追熟が必要な場合があるので常温で保存します。
熟したあけびは日持ちしないので、すぐ食べるか冷蔵で数日保存しましょう。
長期保存したい場合は冷凍や干す方法で保存してください。
あけびの保存温度
常温保存の場合は15℃前後の場所で保存しましょう。
冷蔵する場合は湿度の高い野菜室での保存が適しています。
あけびの保存方法まとめ
- 常温・・・新聞紙に包んで保存
- 冷蔵・・・新聞紙に包んで野菜室で保存
- 冷凍・・・果皮と果肉を分けてラップに包み保存袋に入れ冷凍庫で保存
- 干し・・・果肉を取り出して丸ごと紐でつるして天日干し・果皮をスライスして天日干し
- カット・・・すぐ食べるか保存袋に入れ冷凍保存
あけびの保存期間と賞味期限まとめ
- 常温・・・2日~5日
- 冷蔵・・・2日~5日
- 冷凍・・・1か月
- 干し・・・1週間~半年
- カット・・・冷蔵で1~2日、冷凍で1か月
あけびを常温保存する方法
果皮が割れていない未熟なあけびは常温保存して追熟ができます。
乾燥を防ぐため新聞紙で包んだりポリ袋に入れて保存しましょう。
あけびの常温保存法
- Step1包む新聞紙に包む、もしくはポリ袋に入れる
- Step2保存する15℃前後の風通しのよい場所で保存する
あけびは食べ頃になると自然に果皮が割れます。
あけびの常温保存の際の保存期間
市販のものは3日~5日ほど常温で置いておくことで果皮が割れ食べ頃になります。
果皮が割れたあけびはすぐに変色し常温保存は難しいので冷蔵や冷凍するか早めに食べきるようにしましょう。
あけびの常温保存の際の栄養素は?
あけびの果肉にはビタミンCや葉酸が含まれ、100gに対していちごと同程度のビタミンCが含まれています。
これらの栄養素は風邪の予防や美肌効果、貧血の予防・改善や動脈硬化の予防に効果的です。
また、果皮には高血圧症の予防にも繋がるカリウムが含まれています。
常温保存による栄養素の変化はありませんが、長期間放置しているとビタミンCは減少していきます。
あけびを冷蔵保存する方法
未熟なあけびは冷蔵保存することで追熟を遅らせることができ長持ちします。
果皮が割れて完熟したあけびは冷蔵保存後も早めに食べるようにしましょう。
常温保存と同じく乾燥しないよう新聞紙で包んだり袋に入れて保存します。
あけびの冷蔵保存法
- Step1包む新聞紙やラップで包む、もしくはポリ袋に入れる
- Step2保存する野菜室で保存する
果皮が割れているあけびは変色し傷みやすいのでラップで包みましょう。
あけびの冷蔵保存の際の保存期間
未熟なあけびは4~5日保存できます。追熟させたい時は野菜室から出し常温で保存するようにしましょう。
果皮が割れ食べ頃になったあけびは冷蔵しても早めに食べきるようにし、保存は2~3日程度にしてください。
あけびの冷蔵保存の際の栄養素は?
あけびの果肉にはビタミンCや葉酸が、果皮にはカリウムが含まれています。
風邪予防・美肌効果・貧血改善・動脈硬化予防・高血圧症予防などの効果が期待できます。
冷蔵保存による栄養素の変化はありませんが、熟したあけびは劣化が早いので早めに食べきるようにしましょう。
あけびを冷凍保存する方法
熟したあけびは冷凍保存して長期保存ができます。
果肉と果皮を分けて冷凍し、それぞれ料理に使いましょう。
あけびの冷凍保存法
①果肉の冷凍保存方法
- Step1ラップする果肉を優しく取り出しラップで包む
- Step2保存する保存袋に入れ冷凍庫で保存する
②果皮の冷凍保存方法
- Step1包む果肉を取り出した後果皮をラップで包む
- Step2保存する保存袋に入れ冷凍庫で保存する
野菜マルシェのなのか
- 冷凍するときにはなるべく薄く平らにする
- アルミのトレイにのせると早く冷えやすい
- 冷凍室を強に設定するとなおよし
あけびの冷凍保存の際の保存期間
冷凍したあけびは果肉と果皮共に1か月保存できます。
あけびの冷凍保存の際の栄養素は?
あけびの果肉には美肌効果や貧血予防に効果的なビタミンCや葉酸、果皮には高血圧症予防に効くカリウムが含まれています。
冷凍保存による栄養素の変化はありません。
あけびを冷凍したあとの解凍方法
冷凍した果肉は解凍せずそのままで、甘味も残っていてアイスのようにおいしく食べることができます。
果皮は熱湯で5分ほど茹でアクを抜きながら解凍し、ザルに上げ水気をよく切り冷まします。
そのまま一晩水につけておくとさらにアクが抜けていきます。
丸ごと冷凍した果皮を使って山形の郷土料理であるあけびの肉詰めに調理することができます。
カットしてあるあけびは炒め物や和え物などに使いましょう。
あけびを干す保存方法
あけびの果皮は天日干しして乾燥させることで長期保存が可能になります。
山形では果肉を取り出したあけびに穴をあけ、紐を通して吊るす方法で天日干ししています。
あけびの干す保存法
ザルで干す方法
- Step1スライスする果肉を取り出し果皮を薄くスライスする
- Step2天日干しするザルに並べ天日干しする
- Step3保存する完全に乾燥したら保存袋に入れ冷蔵庫で保存する
途中で何回か裏返して完全に乾燥するまで干しましょう。1週間~10日ほどかかります。
夜間や雨の日は室内に避難させてください。
吊るして干す方法
- Step1穴をあける果肉を取り出し紐を通す穴をあける
- Step2天日干しする物干しざおや軒先に掛けて天日干しする
- Step3保存する完全に乾燥したら保存袋に入れ冷蔵庫で保存する
丸ごと吊るして干す方法は、乾燥まで1か月以上かかることがあります。
雨が降っても濡れない場所がなかったり、マンションなど日が当たりにくい場所では管理が難しいでしょう。
あけびの干す保存の際の保存期間
干したあけびは冷蔵庫で半年保存できます。
あけびを干した後の戻し方
干したあけびはぬるま湯に漬けて半日~1日ほどかけて戻します。
数回湯を取り替えてアクをしっかり抜きましょう。
スライスして干したあけびは味噌でしっかり味を付けた炒め物などに向いています。
また、山形の郷土料理に吊るして干したあけびを使ったあけびの肉詰めがあります。
あけびの肉詰めは冷凍保存もでき、保存食として用いられてきました。
あけびを干す保存の際の栄養素は?
あけびの果皮にはナトリウムを排出し高血圧症予防に効果的なカリウムが多く含まれています。
干すことによる栄養素の変化はありません。
あけびのカット(切った)後の日持ちする保存方法は?
熟して割れたあけびやカットしたあけびは日持ちしません。
長期保存したい場合は冷凍保存しましょう。
あけびの保存方法 使いかけ
一度取り出したあけびの果肉は日持ちしないのですぐに食べるか、食べきれない場合は保存袋に入れ冷凍保存しましょう。
割れたりカットしたりした果皮も日持ちしないので、すぐ調理できない場合は冷凍保存がおすすめです。
あけびをカットしたときの保存期間
冷蔵でも1~2日で食べきるようにし、冷凍では1か月保存できます。
あけびの長持ちさせる保存方法
あけびを長持ちさせるポイントを紹介します。
あけびの夏や冬の保存の違い
あけびは乾燥に弱いです。
旬の秋~冬は乾燥しやすいので、常温保存の際は新聞紙やポリ袋に入れて保存しましょう。
あけびの種(果肉)のくりぬき方
あけびは完熟すると果皮が自然に割れて、手で簡単に果肉を取り出すことができます。
熟す前でも果皮が十分柔らかい状態であれば、果皮の白い筋に沿って軽く引っ張ると簡単に割ることができます。
あけびの果肉の中には小さな黒い種がたくさん入っているので、口の中で種と果肉を分けるようにして食べるようにしましょう。
あけびの洗い方(下処理)
あけびの果皮は水で軽く洗い流し、果肉は汚れていなければ洗わずに食べられます。
果皮はアクが強いので、調理する前に下処理をしてアク抜きをしましょう。
- 熱湯で5分茹でる
- 水に一晩漬けおきする
茹でる際にお米のとぎ汁を使うとなお良いです。
あけびの見分け方と選び方
新鮮なあけびの見分け方や選び方を紹介します。
腐っている場合の見分け方
- 果皮の白い部分が変色し黒ずんでいる
- カビが生えている
- 異臭がする
新鮮な選び方
果皮が割れていない場合(市販のものなど)
- 果皮にハリがある
- 重みがある
- 傷やシワがない
果皮が割れている場合(野生のものなど)
- 割れた部分が茶色く変色していない
- 乾燥していない
あけびの旬
あけびは天然物も栽培物も9月~10月にかけて収穫されます。
それ以外の時期は出回っておらず、通販などでも9月頃から出荷が始まります。
あけびの食べ頃
市販のあけびは割れていないきれいなものが多く、追熟が必要な場合があります。
常温で置いておき果皮が割れてきたら食べ頃です。
また、果皮が割れていなくても実が柔らかくなり、白い筋に沿って軽く引っ張ると簡単にさける状態であれば甘い果実を食べることができます。
野生のあけびやお庭に生っているあけびを収穫する際は、果皮が割れて乾燥していない新鮮なものを選んで収穫しましょう。
あけびについて
「あけび」の名前は、熟した時に自然に果皮が開く「開け実」という意味から来ているといわれています。
全国各地の山に自生していて、栽培物は山形県が9割を占めています。
あけびは果実を食べるものとして知られていますが、東北地方では3月~6月頃にあけびの若芽や若葉を山菜として収穫し、お浸しや和え物にして食べています。
また、あけびのツルは干したものを煎じて飲むことで、腎炎や膀胱炎などの漢方として用いられます。
あけびは実だけでなく、葉やツルも無駄なく使うことができる植物といえます。
あけびの保存食と人気簡単レシピの作り方
あけびの食べ方や保存食レシピを紹介します。
あけびは実だけを食べるのではなく、果皮を使った山形県の郷土料理などもあります。
あけびの保存食の種類
- 肉詰め
- 炒め物
- ジャム
あけびの保存食レシピの簡単作り方と保存期間
あけびの肉みそ詰め
冷蔵で2~3日、冷凍で1か月保存できます。
あけびのみそ炒め
冷蔵で2~3日、冷凍で1か月保存できます。
あけびのジャム
冷蔵で2週間保存できます。
あけびを使った漬け床の作り方
あけびの漬け床
冷凍保存もできるあけびの漬け床です。
離乳食の保存
あけびのようにあまり一般的でない果物はあまり早いうちから与えない方が無難ですが、離乳食後期頃から与えることもできます。
果皮は苦味があるので与えず、果肉の種を取り除き、すりつぶしたり裏ごしして与えるようにしましょう。
まとめ
小さいころから山のない場所に住んでいる人にとっては、あけびはあまり馴染みのない果物でしょう。
秋と言えば柿や梨が頭に浮かびますが、あけびもとても甘く美味しいものです。
冷凍や干す方法で長期保存も可能なのでぜひお試しください。
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