秋の果物、梨。
保存方法や保存期間、栄養のことを理解して賢く保存したいですよね。
梨は、常温よりも冷蔵保存が基本で、独特の食感や風味は落ちますが冷凍保存、干して乾燥した状態で保存もできます。
今回は梨の長持ちする保存についてや、保存食レシピ、おいしい梨の見分け方、食べ頃など、詳しく解説します。
梨は、冷凍すると独特の食感はなくなりますが、半解凍で食べることができます。
干すことでもちがった食感で楽しむことができます。
加工して保存することもでき、梨はいろいろな食べ方ができる果物なのです。
また、梨は品種によって収穫時期が少しずつずれていて、品種によっては冬になって食べられるものもあります。
収穫時期の遅いものの方が保存期間が長くなる傾向もあるのも梨の特徴です。
梨について正しく理解し、お役立ちな知識を身につけて、賢く保存しておいしく食べてくださいね。
Contents
梨の保存の仕方
軸を下にして、乾燥を防いで保存することで鮮度が長持ちします。
シャリシャリした独特の歯ごたえを楽しむには、冷蔵保存が一番です。
梨の保存温度
梨の保存温度は、3~8度くらいで、冷蔵庫の野菜室が保存に適しています。
梨の保存方法まとめ
- 常温・・・高温多湿、直射日光を避け、乾燥を防いで軸を下にして冷暗所におく。夏の暑い時期は常温保存はしないほうがよい。
- 冷蔵・・・乾燥を防いで、軸を下にして野菜室に保存する。
- 冷凍・・・すりおろしたり、カットして冷凍する。
- 干し・・・スライスして天日干しまたは砂糖で脱水してオーブンで乾燥させる。
- カット・・・砂糖水か塩水につけて冷蔵保存する。
梨の保存期間と賞味期限まとめ
- 常温・・・品種によるが、短くて3~4日。長くて1ヶ月。
- 冷蔵・・・品種によるが、短くて5~6日。長くて1~2ヶ月。
- 冷凍・・・1ヶ月程。
- 干し・・・2週間程。
- カット・・・1~2日。
梨を常温保存する方法
高温多湿、直射日光を避け、乾燥を防いで冷暗所におきます。
夏の暑い時期は常温保存はしないほうがよいでしょう。
梨の常温保存法
- Step1包む梨を1つずつ、ポリ袋やアルミホイルで包む。
- Step2箱などに入れる軸が下になるようにして、段ボール箱などに並べる。果実を積み上げないようにする。
- Step3冷暗所に保存高温多湿、直射日光を避け、温度変化の少ない冷暗所に保存する。
梨の常温保存の際の保存期間
梨は、品種によって、保存期間が大きく変わってきます。
大まかにいって、夏の暑い頃に出まわる梨は日持ちが短く、出まわる時期が遅くなると保存期間が伸びていく傾向があります。
代表的な品種の常温保存期間は、
- 幸水(こうすい) 7月~9月 3~4日
- 豊水(ほうすい) 8月中旬~9月 10日間程度
- 二十世紀(にじっせいき) 8月下旬~10月 2週間程度
- 新高梨(にいたかなし)9月~11月 2~3週間程度
- 愛宕梨(あたごなし)12月~1月 1ヶ月以上
梨の常温保存の際の栄養素は?
梨は、ビタミン類は多くありませんが、体内の塩分濃度を調整してくれるカリウムや、疲労回復に役立つアスパラギン酸といったアミノ酸が多く含まれます。
梨の常温保存の際の栄養は変化ありません。
梨を冷蔵保存する方法
乾燥を防いで、軸を下にして野菜室に保存する。
梨の冷蔵保存法
- Step1包む梨を1つずつポリ袋かアルミホイルで包み、さらにビニール袋に入れる
- Step2野菜室に保存する冷蔵庫の野菜室に、軸が下になるように保存する。
梨をラップとアルミホイルで保存し、違いを比較しました。
梨をラップで冷蔵保存
ラップで一つずつ包み、さらにビニール袋で覆いました。
1週間後の梨です。
写真を見る限り、表面からはわかりませんでした。
ラップで保存すると柔らかくなりますが、腐っていることはありませんでした。
切ってみると、少し表面に傷みらしきものがありましたが、保存環境が悪かったかもしれません。
梨をアルミホイルで保存
アルミホイルで保存すると、硬さが残りました。
切ってみると、特に傷みらしきはありませんでした。
梨の冷蔵保存の際の保存期間
梨は、品種によって、保存期間が大きく変わってきます。
大まかにいって、夏の暑い頃に出まわる梨は日持ちが短く、出まわる時期が遅くなると保存期間が伸びていく傾向があります。
代表的な品種の冷蔵保存期間は、
- 幸水(こうすい) 7月~9月 5~6日
- 豊水(ほうすい) 8月中旬~9月 10~14日間程度
- 二十世紀(にじっせいき) 8月下旬~10月 2週間程度
- 新高梨(にいたかなし)9月~11月 2~3週間程度
- 愛宕梨(あたごなし)12月~1月 1~2ヶ月以上
梨の冷蔵保存の際の栄養素は?
梨は、特にカリウムが豊富な果物です。
カリウムは、体内の塩分濃度を調整するはたらきがあります。
また、アミノ酸の一種のアスパラギン酸が多いことも特徴的です。
アスパラギン酸は疲労回復に役立つので、梨は夏バテにも効果が期待できます。
また、喉の炎症をしずめてくれるソルビトールという糖も含みます。
梨の冷蔵保存の際の栄養は変化ありません。
梨を冷凍保存する方法
梨は冷凍保存すると、梨特有のシャキシャキした食感や風味が損なわれます。
それを承知の上で、すりおろしたり、カットして冷凍しましょう。
梨の冷凍保存法
- Step1皮をむく梨の皮をむいて、芯を取り除きます。「梨の芯(種)のくりぬき方」の項目参照。
- Step2すりおろすかカットする梨をすりおろすか、使いやすい大きさにカットする。
- Step3ラップで包むすりおろした梨を小分けにラップし、カットした梨も一つずつラップする
- Step4保存袋に入れる冷凍保存袋に入れる。カットしたものは袋の中で重ならないようにする。
- Step5冷凍する冷凍庫に入れて保存する
野菜マルシェのなのか
- 冷凍するときにはなるべく薄く平らにする
- アルミのトレイにのせると早く冷えやすい
- 冷凍室を強に設定するとなおよし
梨の冷凍保存の際の保存期間
梨の冷凍保存の際の保存期間は、1ヶ月程です。
梨の冷凍保存の際の栄養素は?
梨を冷凍させると、水分が膨張して細胞壁を破壊します。
じつは、梨は細胞壁がかたく、そのことが梨特有のシャキシャキした食感を生んでいるのですが、冷凍して細胞壁が壊されることで、その食感は失われます。
香りや甘みもぼんやりしたものになってしまいます。
しかし、壊されたとはいえ細胞壁は食物繊維なので、食感は失われても、食物繊維による整腸作用は期待できます。
また、梨は、カリウムなどのミネラル類、アスパラギン酸などのアミノ酸類も含みますが、ミネラルやアミノ酸は冷凍しても変化ありません。
梨を冷凍したあとの解凍方法
冷凍した梨は半解凍の状態でシャーベットのように食べたり、スムージーにしてしまいます。
コンポートのようにして、シャリシャリ感が楽しめます。
梨を干す保存方法
梨の干す保存法 シンプルに天日で干すドライタイプ
- Step1芯をとって皮をむく梨をくし型に切って、芯をとって皮をむく。「梨の芯の取り方」の項目参照。
- Step2スライスする梨を3~5mmにスライスする。
- Step3ネットに並べる干し野菜ネットに重ならないように並べる。
- Step4戸外に干す天気のよい戸外に干す。天気が悪い時や夜間は取り込み、5日~1週間干す。
- Step5保存容器に入れる保存容器に入れて、冷蔵庫で保存する。
梨の干す保存法 オーブンで乾燥させるセミドライ
- Step1
- Step2砂糖をまぶす中カットした梨に砂糖をまぶす。砂糖の量は、梨1つ分に対して大さじ半分~1くらい。
- Step3加熱する電子レンジで加熱する。梨1つにつき、500wで7分くらい。くったり柔らかくなるまで加熱する。
- Step4水気を切る中身加熱して出た水分をしっかり切る。
- Step5並べる天板にクッキングペーパーをひいて、梨を並べる。くっついたり、重ならないようにする。
- Step6加熱する100度のオーブンで30分加熱し、ひっくり返す。さらに加熱して返すを繰り返し、このみの固さにする。
梨の干した後の保存の際の保存期間
梨の干す保存の際の保存期間は、天日で干したものも、オーブンで乾燥させたものも冷蔵庫で2週間くらいです。
セミドライは、冷蔵室で4日ぐらい保存できます。
梨を干した後の戻し方
梨を干した後、もどすための作業は必要ありません。
梨を干す保存の際の栄養素は?
梨を干すことによって、水分がぬけるので、味や栄養分は凝縮されます。
食物繊維やカリウムをはじめとしたミネラルは同量当りで比較して増加します。
ビタミン類は減りますが、じつは梨はそもそもビタミンは多くありません。
カロリーも同量当りで比較すると増えます。とくに、砂糖を使って作るものは砂糖の分のカロリーや糖分も増えます。
梨のカット(切った)後の日持ちする保存方法は?
砂糖水か塩水につけると変色が防げます。冷蔵保存し、早めに食べましょう。
梨の保存方法 使いかけ
カップ1杯の水に、砂糖大さじ1または塩小さじ4分の1をといたものに、カットした梨を10分ほどつけておきます。
水気を切り、容器にいれてラップをかけて冷蔵庫で保存します。
梨をカットしたときの保存期間
梨をカットしたときの保存期間は、1~2日です。
梨の長持ちさせる保存方法
梨を梨らしく食べるのはやはり生です。
冷蔵庫の野菜室で軸を下側にして保存することで鮮度を保てます。
梨の夏や冬の保存の違い
梨は品種によって出まわる時期に幅のある果物です。
- 夏の暑い盛りに出まわる幸水や豊水といった梨は、常温保存ではなく冷蔵保存をしましょう。
- 秋になって涼しくなったころに出まわる品種は、常温でも長持ちするようになってきます。11~12月頃とれる梨は、家の中のできるだけ温度の低い所に保存すれば、冷蔵庫に入れなくても大丈夫です。
- 晩秋に収穫される梨は大型のものが多いので、スペースの限られた冷蔵庫の野菜室よりも家の中の冷暗所に保存する方が賢い手です。
梨の芯(種)の取り方
梨は、皮の下、おしりの方が甘く、芯のあたりが酸味やえぐみが強く、かたうなっています。
皮はできるだけ薄く、芯は大きく切り取ることでおいしく食べることができます。
- 梨を軸からおしりにむかって半分にカットし、8等分にくし型に切る。
- 軸側とおしり側からV字になるように斜めにナイフをいれて、芯を切り取る。
- ナイフを梨の表面に滑らせるようにして皮をむく。
梨の見分け方と選び方
腐っている場合の見分け方
腐り具合は以下に当てはまると危険です。
- 軸が枯れ、皮にも張りがない。
- 傷ついて茶色くなっている。
- ぬるぬるしたり異臭がする。
新鮮な選び方
新鮮な選び方は、以下の通りです。
- 軸が新鮮で枯れていないもの
- 持ってみて見た目より重たい感じがするもの
- どちらかというと下ぶくれな形のもの
梨の旬
梨は、多くの品種があり、収穫時期が異なっています。
最も多くの品種が収穫されるのは、9月から10月ころで、ざっくりいうと秋が旬の果物だといえます。
代表的なものでいうと、幸水は早いものでは7月ごろから収穫が始まり、9月ごろまでとれます。
- 豊水は8月中旬ころから9月ころが収穫期になります。
- 二十世紀は8月下旬から10月ころまで収穫が続きます。
- 新高梨は9月から11月くらいに収穫されます。
最も遅い時期に出まわるのは愛宕梨で、愛宕梨は12月から1月ころに収穫されます。
ちなみに、この愛宕梨は、果実が1kg以上あるものもあり、赤ちゃんの頭くらいの大きさのある迫力満点の梨で、お歳暮に使われることもあります。
梨は、品種によって出まわる時期も保存期間も大きく変わってきます。
だいたい、早い時期に出まわる梨は保存期間が短く、秋が深まるころ収穫されて出まわる梨は保存期間が長くなる傾向にあります。
暑い盛りに出まわる幸水は日持ちが3~4日と短いのが特徴ですが、11月から12月ころ収穫される、愛宕梨や新雪といった品種は、冷暗所で1月以上の保存ができます。
あまりメジャーな梨ではありませんが、主に大分県で作られる、貯蔵性のよい晩三吉(おくさんきち)という梨は、10月下旬から収穫が始まり、冷蔵保存で翌年の春まで出荷が続けられます。
梨の栄養成分のおものなものは、体内の塩分濃度を調整してくれるカリウム、疲労回復に役立つとされるアミノ酸の一種のアスパラギン酸、のどによいとされる糖分の一種ソルビトールなどです。
さらに、タンパク質分解酵素プロテアーゼを含みます。
肉料理のあとのデザートに梨を食べると、お腹のなかで肉の分解、吸収を助けてくれ、胃もたれしにくくなります。
梨の食べ頃
日本梨には、赤梨と青梨があります。
- 主に流通しているのは赤梨で、赤みがかったざらっとした果皮で、甘みが強いのが特徴です。
代表的な品種は、幸水や豊水、新高梨などです。
赤梨は、赤みが強くなっているものがよく熟れて食べごろのものだといえます。 - 青梨は黄緑色を帯びたつるっとした果皮で、甘みと酸味のバランスがいいのが特徴です。
代表的な品種は二十世紀です。
青梨は、黄緑色の果皮に黄色が混ざってまだらになったころが食べごろです。 - 洋梨は追熟させることができますが、日本梨は保存しておいて追熟させることはできません。
食べ頃のものを選んで、手に入れたら早めに食べてください。
梨について
梨は、バラ科の木になる果物で、日本では昔から広く栽培されてきました。
洋梨がねっとりとしたなめらかな食感を持つのに対し、日本梨はシャリシャリした食感が特徴です。
日本で最も多く栽培されているのは幸水、次いで豊水という品種で、この2品種で全体の生産量の7割ほどを占めます。続いて新高、二十世紀などの品種が多く栽培されています。
栄養面では、カリウムやアスパラギン酸というアミノ酸が豊富です。
梨の保存食と人気簡単レシピの作り方
梨の保存食の種類
- ジャム
- コンポート
- フルーツビネガー
梨の保存食レシピの簡単作り方と保存期間
梨のコンポート
保存期間は冷蔵庫で2~3日です。
また、出来上がったコンポートを保存容器か冷凍保存袋に煮汁ごと入れて冷凍保存も可能です。
解凍後の再冷凍はしない方がよいので、1回に使う分ずつ小分けにして冷凍しましょう。
梨のコンポートを冷凍した場合の保存期間は1ヶ月ほどです。
シャキシャキ梨のジャム
保存瓶の消毒と脱気滅菌の仕方
ジャムは、ペクチン、酸、糖によってトロミがつきます。
梨は、ペクチンの少ない果物なので、ペクチンを添加してやることで、トロミのついたジャムになります。
出来上がったジャムを、きちんと消毒した瓶に詰め、脱気して保存すれば、1年ほど持ちます。
開封したらできるだけ早く食べきりましょう。
京たんご梨のシャキシャキサラダ
梨の食感を生かしたサラダです。
肉料理と合わせると、肉の消化吸収を助けてくれます。
梨のやわらか牛肉
梨のタンパク質分解酵素のはたらきを利用して、肉を柔らかくします。
保存期間は冷蔵庫で2~3日です。
梨の酢漬けの作り方の保存食レシピと保存期間
健康梨酢
保存期間は冷蔵庫で3~4日です。
離乳食の保存
梨の果汁は、離乳食初期から取り入れることができます。
しかし、梨の果肉は繊維質が多く、消化吸収の際に赤ちゃんの胃腸には負担になることもあるので、離乳食後期になってから少しずつ取り入れましょう。
まとめ
梨は、シャキシャキした独特の食感が特徴の果物です。
この食感を活かすためには冷蔵保存が最適です。
品種によって、保存できる期間がことなることも梨のユニークな特徴です。
保存できる期間の短い梨がたくさん手に入ったときは、冷凍保存、干して保存、加工して保存するのもよいですね。
いろいろな食べ方で梨を食べ尽くしてくださいね。
よく読まれています
コメントを残す