かぼすは、大分県で多く栽培されている柑橘類の果物です。
かぼすの保存方法や保存期間、含まれる栄養について疑問に思うこともあるかもしれません。
かぼすは、冷蔵のほか、冷凍保存が便利で、干して乾燥させた状態でも保存もできます。
かぼすの保存や、様々な保存食レシピについて、ご紹介します。
かぼすは、未熟な青いうちに香りや風味を楽しむ果物で、黄色く熟す前に食べます。
冷凍すると青い状態を長持ちさせることができます。
冷凍したかぼすは、解凍せずにすりおろしたり飲み物にうかべることもでき、便利です。
新鮮でおいしいかぼすの見分け方や食べ頃について解説し、長持ちする保存食のレシピや、黄色く熟してしまったかぼすのおいしい食べ方もご提案します。
爽やかな香りと酸味を持つかぼすを上手に保存して使いこなしてください。
Contents
かぼすの保存の仕方
乾燥を防いで、低温で保存します。使い切れな場合は、冷凍保存もよい方法です。
果実をカットした状態、または果汁を絞って冷凍することもできます。
かぼすの保存温度
かぼすの保存温度は3~8度くらい、冷蔵庫の野菜室の温度が適しています。
かぼすの保存方法まとめ
- 常温・・・高温多湿、直射日光を避け、できるだけ温度の上がりにくい冷暗所に置く。
- 冷蔵・・・果実は、光や乾燥を防いでポリ袋に入れて保存。絞り汁はできるだけ空気に触れないように密閉して保存する。
- 冷凍・・・カットしてラップに包んで保存する。果汁は小分けにして冷凍する。
- 干し・・・果実をスライスして天日干し、皮を刻んで天日干し。
- カット・・・できるだけ空気を遮断して冷蔵
かぼすの保存期間と賞味期限まとめ
- 常温・・・約1週間。
- 冷蔵・・・果実は10日から2週間ほど。絞り汁は2~3日。
- 冷凍・・・半年ほど。
- 干し・・・1~2か月
- カット・・・2~3日
かぼすを常温保存する方法
高温多湿、直射日光を避け、できるだけ温度の上がりにくい冷暗所に置く。
かぼすの常温保存法
- Step1箱に並べるかぼすを段ボール箱などに並べる。たくさん積み重ねないようにする。
- Step2冷暗所におく家の中のできるだけ低温で、温度変化が少なく、直射日光のあたらない、風通しの良い所におく。
かぼすの常温保存の際の保存期間
かぼすの常温保存の際の保存期間は約1週間です。
かぼすの常温保存の際の栄養素は?
かぼすの栄養素で、効果を特に期待できるのは豊富なクエン酸で、疲労回復、食欲増進などの健康パワーがあります。
爽やかな香りもアロマ効果があり、爽やかな香りと酸味で、塩を含む調味料が少なくて済むという減塩効果もあります。
かぼすの常温保存の際の栄養素は変わりありません。
かぼすを冷蔵保存する方法
果実まるごとの場合は、光を遮断し、乾燥を防いで冷蔵室で保存します。
絞り汁の場合は、できるだけ空気に触れないようにして密閉し、早めに使い切ります。
かぼす(果実)の冷蔵保存法
- Step1包むキッチンペーパーで1つずつかぼすを包む。
- Step1袋に入れる黒いポリ袋に包んだかぼすをまとめて入れる。黒い袋を使うことで光を遮り、より鮮度を保てる。
- Step3袋の空気を抜く袋の空気をできるだけ抜いて口をしばっておく。
- Step4冷蔵庫に入れる冷蔵室に保存する。
かぼす(絞り汁)の冷蔵保存法
- Step1かぼすを絞るかぼすを絞って絞り汁をとる。(かぼすの絞り方の項目参照)
- Step2清潔な瓶に入れる密閉できる、清潔な瓶に入れる。
- Step3または保存袋に入れるジッパー付き保存袋に入れて、きっちり空気を抜いてジッパーを閉める。
- Step4冷蔵庫に入れる冷蔵室で保存する。
かぼすの冷蔵保存の際の保存期間
かぼすの果実を冷蔵保存した際の保存期間は、もともとのかぼすの状態にもよりますが、10日~2週間ほどです。
かぼすの絞り汁を冷蔵保存した際の保存期間は、2~3日です。
空気に触れることで風味や香りが逃げてしまうので、冷蔵保存よりも実は冷凍保存がおすすめです。
かぼすの冷蔵保存の際の栄養素は?
かぼすに多く含まれるクエン酸には、疲労回復や食欲増進の効果が期待でき、芳香成分によってリラックス効果も期待できます。
その他にも、かぼすは、カリウム、カルシウム、ビタミンCやEなどを多く含む果物ですが、酸味が強く、一度にたくさん食べるようなものではないので、これらの成分の効果は大きくは期待しにくいといえます。
かぼすの冷蔵保存の際の栄養素は変わりありません。
かぼすを冷凍保存する方法
かぼすは、カットして冷凍、または果汁を絞って冷凍することもできます。
カットした果実はラップに包んで冷凍、果汁は小分けにして冷凍すると便利です。
かぼす(果実)の冷凍保存法
- Step1カットする洗ったかぼすをカットする。5ミリほどにスライスまたはくし形など、使いやすい形に切る。
- Step2包むカットしたかぼすを丁寧に1切ずつラップで包む。
- Step3保存袋に入れる包んだかぼすをまとめて保存袋に入れる。
- Step4冷凍するかぼすを冷凍庫で保存する。
かぼす(絞り汁)の冷凍保存法
- Step1かぼすをしぼるかぼすを絞って果汁をとる。(絞り方はかぼすの絞り方の項目参照。)
- Step2果汁を製氷皿に入れる。果汁を製氷皿に小分けにいしていれる。
- Step3または保存袋に入れる果汁をジッパー付きの保存袋に入れて、きっちり空気を抜いてジッパーを閉める。
- Step4冷凍するかぼすの絞り汁を冷凍庫で冷凍する。保存袋に入れた場合は、平らにして薄くなるようにして冷凍する。
野菜マルシェのなのか
- 冷凍するときにはなるべく薄く平らにする
- アルミのトレイにのせると早く冷えやすい
- 冷凍室を強に設定するとなおよし
かぼすの冷凍保存の際の保存期間
かぼすの冷凍保存の際の保存期間は、果実、絞り汁とも2~3か月から半年です。
冷凍庫の開け閉めが少なく低温が保たれるなど、保存状態がよければ、さらに長期の保存も見込めます。
かぼすの冷凍保存の際の栄養素は?
かぼすはクエン酸が豊富な果物です。クエン酸には、疲労回復や食欲増進の効果が期待できます。
また、皮に多く含まれる芳香成分によってリラックス効果も期待できます。
かぼすは冷凍したものをすりおろして使うことができますが、皮部分は冷凍してかたい方がすりおろしやすく、皮の栄養分を摂取しやすくなるといえます。
かぼすの冷凍保存の際の栄養素は変わりありません。
かぼすを冷凍したあとの解凍方法
凍ったまま、飲み物に浮かべたり、麺つゆに浮かべたりして使えます。
凍ったままおろし金ですりおろすと、皮も薄皮もまるごと使えます。
かぼすを干す保存方法
果実をスライスして干したり、果汁を絞ったあとなどの皮を刻んで干すこともできます。
かぼすの干す保存法 スライスした果実
- Step1洗うかぼすをよく洗って水気を拭き取る。
- Step2スライスする2~3mmの厚さにスライスする。
- Step3ネットに並べる干し野菜ネットに重なったりくっついたりしないように並べる。
- Step4干す天気の良い戸外に干す。天気が悪い時や、夜間は取り込む。 水分が飛び、小さく硬くなったら干しあがり。
- Step5保存容器に入れる保存容器に入れて、冷蔵庫で保存する。
かぼすの干す保存法 皮
- Step1果実やワタをはずす皮から、果実やワタ(薄皮)を引きはがす。
- Step2刻む皮を細くこまかく刻む。
- Step3ネットに並べる干し野菜ネットに重なったりくっついたりしないように並べる。
- Step4干す天気の良い戸外に干す。天気が悪い時や、夜間は取り込む。からからに乾いたら干しあがり。
- Step5密閉容器に入れる密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存する。
かぼすの干す保存の際の保存期間
冷蔵庫で1~2か月です。
かぼすを干した後の戻し方
特に戻す作業は必要ありません。
かぼすを干す保存の際の栄養素は?
かぼすには、疲労回復効果があるとされるクエン酸が豊富で、皮に多く含まれる香り成分はリラックス効果が期待できます。
かぼすは干すことで皮も摂取しやすくなります。
生のかぼすはビタミンCも豊富ですが、ビタミンCは干すことで減ります。
かぼすのカット(切った)後の日持ちする保存方法は?
できるだけ空気に触れさせないようにして冷蔵庫に入れます。
かぼすの保存方法 使いかけ
切断面にラップを貼り付けて、空気から遮断します。
冷蔵室に保存し、できるだけ早く使います。
かぼすをカットしたときの保存期間
かぼすをカットしたのときの保存期間は、2~3日です。
かぼすの長持ちさせる保存方法
かぼすがたくさんあるなどして、長持ちさせたいときは、冷凍がおすすめです。
長期保存が可能になるばかりでなく、凍ったまますりおろすという使い方をすれば、皮や薄皮まであますところなく食べやすくなり、効率よく栄養を摂取できます。
かぼすの夏や冬の保存の違い
かぼすは、青く未熟な方が風味よく食べられます。気温が高い季節は、常温保存は避けます。
冬は、常温においてもいいですが、夏は冷蔵保存を基本にしましょう。
かぼすの絞り方
- たくさんあるとき、肌が弱い方は手袋をする。
- かぼすのヘタとおしりの間で半分にカットする。大きい時はくし形になるように、さらに半分にカットする。
- 切り口を上にむけて、手でぎゅっと握る。上にむけることで、皮の香りや栄養も逃さず絞れる。
- 種が気になる場合は、茶こしで濾しとる。
参考:大分県カボス振興協議会
かぼすの見分け方と選び方
腐っている場合の見分け方
腐り具合は以下に当てはまると危険です。
- 果皮が黄色くなっている。(腐ってはいないが鮮度、風味は劣る。)
- かびている。
- 異臭がしたり、ぬるぬるする。
新鮮な選び方
新鮮な選び方は、以下の通りです。
- 果皮が鮮やかな緑色。
- キズがなく、ふっくらとしている。
- 持った時、見た目より重たい感じがする。
かぼすの旬
かぼすの旬は、8月~10月頃になります。
かぼすの生産量が日本一の大分県では、とれたての露地ものが8から10月に出荷されます。
10月の終わりころから3月半ばころまで、貯蔵されたかぼすが時期をずらして出荷されます。
春から夏にかけては、ハウス栽培されてものが出回ります。
このように、生産・出荷時期をずらして、かぼすは周年出まわっています。
参考:大分県カボス振興協議会
かぼすの食べ頃
柑橘類なので、熟すと黄色くなります。しかし、熟す前の、緑色のものの方が香りや風味がよいとされます。
黄色くなってしまっても、食べられないわけではありません。
ジャムやシロップに加工するのなら、黄色く熟したものの方が酸味の角が取れ、おいしくできます。
かぼすについて
大分県で多く生産されるかぼすは香酸柑橘と呼ばれる果物のなかの1つです。
香酸柑橘とは、みかんのなかまの中でも、果実をそのまま味わうというより、皮の香りや果汁の酸味を利用して料理やお菓子に生かしたり、ジュースにしたりする柑橘類のことです。
香酸柑橘の代表的なものとしては、かぼすの他に、レモン、ライム、ゆずなどがあげられます。
かぼすは、漢字で書くと「香母酢」となります。
ゆずの近縁種の植物で、大きさは100g~150gと大きめ、皮に独特の香りがあり、酸味がおだやかで甘みがつよいのが特徴です。
かぼすとよく似た香酸柑橘に徳島県で多く作られているすだちがありますが、かぼすは直径6cmほど、すだちは直径4㎝ほどでかぼすの方が大きめです。
かぼすの保存食と人気簡単レシピの作り方
かぼすの保存食の種類
- ジャム
- シロップ
- スムージー
かぼすの保存食レシピの簡単作り方と保存期間
保存瓶の消毒と脱気滅菌の仕方
黄色くなってしまったかぼすの救済レシピです。
出来上がったジャムを、きちんと消毒した瓶に詰め、脱気して保存すれば、1年ほど持ちます。
開封したらできるだけ早く食べきりましょう。
かぼす胡椒 かぼすの皮で!
保存期間は清潔な瓶に詰め、冷蔵庫で10日~2週間ほどです。
かぼすミルク(スムージー)
スムージーは保存はできません。すぐに飲んでください。
かぼすのグラニテ
保存期間は冷凍庫で1週間ほどです。
かぼすムース
かぼすの果汁をたっぷり使ったスイーツです。
保存期間は冷蔵庫で1~2日です。
かぼすの酢漬けの作り方の保存食レシピと保存期間
黄色がおすすめ★かぼすシロップ
保存期間は、清潔な瓶に入れて雑菌が入らないように管理すれば半年から1年くらいです。
離乳食の保存
かぼすは、離乳食に多用するような果物ではありません。
酸味が強く、刺激が強いからです。
しかし、かぼすの香りや風味といった微妙で繊細な味も、赤ちゃんにいろいろな味や香りを体験させて、味覚を育てるのに一役買ってくれます。
離乳食後期のころから、やわらかい魚にかぼすの果汁をほんの少し垂らすなどして、かぼすの風味や香りを知っていくとよいです。
まとめ
かぼすは、爽やかな香りと酸味が魅力の果物です。
風味付け、薬味のしての役割をが大きいですが、かぼすの味や香りを主役として楽しめる保存食もたくさんあります。
かぼすは、冷蔵保存、冷凍保存、干して保存ができますが、長持ちさせて、栄養を効率よく摂取するという点では冷凍がおすすめの保存方法です。
果汁を絞り取って保存することもできます。
秋が旬の果物ですが、かぼすの生産シェア日本一の大分県では、栽培や貯蔵の工夫により出荷時期をずらして通年出荷していますので、年中楽しむことができます。
かぼすの特徴、保存について正しく理解して、かぼすを使ってワンランク上の食卓を目指してください。
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