春先になるとスーパーや直売所などでいろいろな山菜を見かけます。
たらの芽やふきのとうなどよく知っている山菜もあれば、あまり見たことがない山菜もあるかもしれません。
ふだんなじみのない山菜も特徴がわかれば料理の幅も広がります。
また、山菜の種類一覧もご紹介しますのでぜひ参考にしてください。
山菜は一年のうちでとても短い期間しか出回りません。
この機会に山菜について詳しくなって、いろいろな山菜料理にチャレンジしましょう。
山菜とは
山菜とは、山野に自生する植物で食用にされる植物の総称です。
ほとんどの山菜が早春から初夏にかけて採取されます。
普段食べている野菜に比べて苦みやえぐ味である“アク”が強く、下処理を必要とするものもあります。
保存がきかないものも多く、手に入れたその日のうちに消費した方が良いものが多いです。
近年は技術開発により、自生した山菜以外にもハウス栽培などで人工的に栽培された物も多く出回るようになりました。
北海道から沖縄まで、日本全国で山菜として食べられているものは300種類以上あるといわれています。
また、青森県の縄文遺跡(三内丸山遺跡)からはたらの芽の種が発見されており、5000年以上前から食べられてきたことがわかります。
【万葉集】では27種類もの山菜が登場しています。
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山菜の特徴
山菜は山野に自生する食用植物のことです。
野菜が人工的に栽培されるのに対して、山菜は限られた場所で限られた季節しか採れず、収穫量もわずかです。
山菜の若い芽の部分はこれから成長していくための養分がぎっしり詰まっている大切な成長点です。
これを動物などの外敵から守るために備えたものが、山菜特有のアクです。
例えばふきのとうなどの苦みです。
シュウ酸、タンニン類、ポリフェノール類などがアクの成分です。
苦みやえぐ味など人間が深いと感じる味を持っていたり、変色を早めたりする成分です。
山菜のアクについて
- タンニン・クロロゲン酸など(苦味と渋味の成分)
ポリフェノールの一種で、お茶やコーヒーに含まれる - ホモゲンチジン酸・シュウ酸など(えぐ味成分)
水煮タケノコに付いている白い粉上のものがチロシンで、ホモゲンチジン酸はチロシンが生成される前の段階の物質 - チアミノーゼ
わらび・ぜんまいなどに含まれていて、ビタミンB1(チアミン)を分解する酵素。加熱することで活性を失う。 - プロキタサイド
発がん性物質でわらびに含まれる。 - フキノトキシン
発がん性物質でふきのとうに含まれる。水溶性。
アクは重曹を入れてお湯であく抜きをすると分解されます。
アクが比較的少ない山菜は、山うど(山独活)、たらのめ、うるい、行者にんにくなどです。
これらの山菜はアクが少ないので下処理を必要とせず、そのまま茹でてお浸しやあえ物、酢の物やサラダなどにできます。
山菜の栄養・調理方法について
山菜にはビタミンやミネラル、食物繊維など栄養価が高いものもありますが、基本的に摂取する量が少なめです。
たんぱく質や脂質は少なめで、低エネルギー食品でもあります。
山菜の香りや苦みが苦手な方は、天ぷらや茹でてお浸しやあえ物にすると食べやすくなります。
特に天ぷらは揚げることで苦みが抜け、山菜の風味が増すのでお勧めです。
植物による食中毒について
時季になると実際に自分で山菜を採りに行く方も多いかと思います。
山菜は自然の恵みですが、採る植物を間違えると有害な物質により食中毒を起こす原因になりかねません。
- うるい(オオバギボウシの若芽)とバイケイソウ(有毒植物)を間違える
- 行者ニンニクとコルチカム(有毒植物)を間違える
などがあり、実際に死亡例も出ています。
山菜や野草と見た目がよく似ている有毒植物がたくさんあり、間違って食べないように注意してください。
まとめ
山菜がスーパーなどに出回ると春を感じることができます。
今は人工栽培で山菜も手に入りやすくなりました。
しかし、山などで採れた山菜は苦みも強いけど格別です。
それだけ外敵から身を守る手段も備わっているのでしょう。
山菜は成長するためのパワーをたくさんため込んでいます。
活動的になる春は、山菜をたくさん食べて体力をつけていきましょう。
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